Wagby海外進出の進捗報告

当社の掲げる目標の一つに、Wagby の海外進出があります。不思議なもので、「今年、具体的な成果を出します!」と宣言したあと、いろいろな偶然が重なって、海外進出を後押しされているように感じています。現在の取り組みと進捗を書きました。

マニュアルの翻訳

もっとも懸念していたのが、大量のマニュアルの翻訳作業でした。1000枚を超える HTML 文書をすべて翻訳会社へ委託するのはコスト的に厳しい上、不定期に発生する、文章の軽微な修正も一つ一つ委託していくのは運用面でも難しいと感じていました。

これが昨年末にアップデートされた Google Translation API の登場で、目処が立ちました。もともと wagby.com は全ページを XHTML に準拠させており、プログラムで処理しやすいようにしていました。そこでマニュアルページのコンテンツ部分を一行ずつ自動翻訳させるプログラムを開発し、適用してみました。この成果は、次のとおりです。

http://wagby.com/en/manual7/index.html

しかし、さすがにキャプチャ画像までは自動翻訳できません。そこでキャプチャ画像は手動で撮り直すとし、沖縄県内の学生5名にアルバイトとしてお願いしました。彼・彼女らの働きは目覚ましく、春休み期間の短期アルバイトという位置付けで、おおむね1000枚の画像をキャプチャしてもらうことができました。例えば次のページです。

http://wagby.com/en/manual7/relation-optionalmodel.html

一部、日本語の画像も残っていますが、細かいところはこれから修正していきます。
マニュアルは日本語(ja)と英語(en)の双方にリンクを用意したので、相互を読むことで自動翻訳の精度がわかります。定期的にアップデートしていくことで、精度が向上するのではないかと期待しています。

製品自体の翻訳

以前より、Wagbyでビルドしたアプリケーションは「リソースファイル」も自動生成されていたので、これを(手動で)翻訳することで運用できていました。
http://wagby.com/manual7/i18n.html

しかし、開発ツールである「Wagby Designer」は日本語のみでした。今回、この英語化に取り組みました。上記の英語版マニュアルにあるように、Designer の英語対応を行なっています。(こちらはまだ一般公開はしていません。)

やってみてわかる課題もありました。現在の Designer の翻訳は前後の文脈を理解せず機械的に行なっているのですが、単純な1対1変換では無理が生じる局面がありました。前後の文脈から、より適切な翻訳を行うようにするためには、元となる日本語に、翻訳に利用できる付加情報(アノテーション)を用意してあげるのが良さそうです。これは多大な工数を要するため、今後の課題とします。

販売体制

私たちが目標とする海外展開は、(海外へ)進出した日本法人で使ってもらうのではなく、現地のSIerが、現地の案件に Wagby を使ってもらうことです。そのためにはパンフレットの英語版を用意することも必要です。製品を説明するさまざまな資料もすべて翻訳する必要があります。さらに、技術的な問い合わせを受け付ける窓口も必要です。今回、このような対応をすべて(新株主となった)アライズイノベーション株式会社が行うことで合意しています。昨年末の資本提携がこのような効果を生んでいることも、恵まれています。

Computex台北2017へ出展します

これも偶然なのですが、沖縄県内の特定非営利活動法人である「フロム沖縄推進機構」より、Computex台北2017への出展を希望する企業の公募がありました。即決して応募したところ、無事に受理されました! ということで、アライズイノベーションの若手 Wagby 技術者と一緒に、今月末に台湾へ行ってきます。
https://www.computextaipei.com.tw/

開催規模も期間も、私がこれまで体験したものより大掛かりです。思えば Wagby を最初に国内で展開したときもビッグサイトのソフトウェア開発環境展に出展し、とにかくアピールしていました。同じような試みを、次は海外でやってみます。片言の英語ですが、いい経験になることでしょう。

沖縄アジアITビジネス創出促進事業へ応募します

最後の報告が「沖縄アジアITビジネス創出促進事業」です。これも先月、沖縄県産業振興公社より案内がありました。
http://okinawa-ric.jp/news/entry/10466.php

しばらく補助事業から遠ざかっていたのですが、この枠組みはまさに今の私たちにピッタリの内容でしたので、応募することにしました。無事に採択されれば、Wagby 海外展開準備の最後のピースを迅速に埋められると期待しています。


このように、今年はさまざまな後押しを受けており、偶然にしては出来過ぎといった感がありますが、時機到来というのはこういうことなのかも知れません。もちろん私たちは、目の間に登場したチャンスを確実に掴めるよう、日々、準備してきました。この機会を逃さず、海外展開を加速させたいと思います。