"論よりRun"

私がこの造語を聞いたのは、もう20年以上前だったと記憶しています。当時は、うまいこというなぁと思ったものです。

この思想は、超高速開発を推進する人に向いているようです。動くものを見せるのが正義、ということを推し進めた結果、とうとうこのような動画までつくってしまいました。

youtu.be

私自身はこの業界に入ってから、ずっと業務系システムの開発に携わってきたのですが、この動画にあるようなイベントは過去に体験したことがありません。昨年、思いを同じくする人たちとこの取り組みを開始して、これまで総務省や厚生労働省でデモをしてきました。そしていよいよ満を持して、日本情報システムユーザー協会(JUAS)主催によるイベントを開催できたのです。

実は企画の段階では、来場者が集まるかどうか半信半疑でした。JUASといえば大手ユーザー企業ばかりです。彼らは「どうつくるのか」には興味がないのではないか、と心配していました。しかし蓋をあけてみると開催日の二週間前には定員60名が満席で応募締め切りという人気ぶりでした。当日も「来場者からぶっつけ本番で、つくりたいシステム要望を受ける。」としていたため、誰も発言しなかったらどうしよう、というリスクがあったのですが、まったくの杞憂でした。活発な発言の中、わずか40分ほどで基本的なデータ構造を整理し、それから1時間で各ツールが実装できたというのは、参加者にとってまったく新しい開発体験だったことでしょう。イベント後のアンケートも大変、好評だったと伺いました。

もちろん、このイベントだけで、超高速開発手法やツールを採用しよう、というほど簡単ではないでしょう。しかし、いままで漠然としていたものが突如、現実味をもって体感できたというのは大きいと思います。道具の使い道を考えるのはユーザです。魅力的な道具を前にして、さまざまな活用のアイデアがでてくれば、エンタープライズ開発分野を活性化できる一助となるに違いありません。

この動画を視聴して興味をもっていただけましたら、是非ともお声がけください。今年、このようなライブモデリングを全国でやってみようと考えています。動画もよくできていますが、生で体感するのは、やはり違います。体感して、そして改めて、このような開発が行えるようになった時代に自分の仕事をどう再定義するか、を考えるきっかけになればと思います。