「ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学」を読む

良書です。この業界に携わっているすべての人に読んでもらいたいと思います。学生や新人には刺激が強いので、この本の存在を知らせることが大人なのか、知らせないことが大人なのかは個々の判断によるでしょう。私は知らせる派ですが...。

業界に携わる人の英知を結集して、問題に対する具体的な解決策を提示する時期ではないでしょうか。(もしかすると、すでに提示されているにもかかわらず、私が知らないだけかも知れません。)ここで私がいう「問題」は、次のことを指します。

  • 人月にかわる見積制度を提案する。
  • ユーザーの要求変更発生を前提とした開発方法論を確立する。
  • 大規模システムをアジャイル開発(少数精鋭の意味を含む)で達成する開発方法論を確立する。

ただし予測はあります。仮にこれらの問題を解決できたと仮定した場合、SE/プログラマの仕事内容は現在と変わってくるでしょう。これまでのような雇用の受け皿には、なりにくいことでしょう。しかし、それは受け入れるべき変化だと考えます。少なくとも、現状のままのユーザーとSEの関係には誰も満足していないということは、すでにわかっているわけですから。