Java の講師をふりかえって思うこと (2)

昨日は書きかけの状態で中座したので、続きです。

講師をしながら常に考えることは、果たしてどのくらいの技術者が、オブジェクト指向の高みにたどり着けるだろうかということです。あくまでも個人的な主観に基づく感覚値ですが、Visual Basic を使える技術者が Java へ移行できる成功率は 50 % 前後です。つまり 2 人に 1 人はオブジェクト指向の最初の段階でつまづきます。その壁を乗り越え、デザインパターンが使えるようになるところまで到達するのは、その中の 20% 以下と感じています。

つまり、ランダムに選択した 100 名の技術者に対して Java 教育を行ったとき、最終的にデザインパターンや DI を使いこなせるのは 10 名以下ではないかということです。この人たちをいかに自社の Java 案件に加わってもらえるかが、プロジェクト成功の一つの鍵になります。

沖縄県内における、システム設計・開発業務に従事している技術者はおよそ 3000 名程度と考えられています。そのうちの 1000 名は Java の素養があると仮定しても、オブジェクト指向を本当に使える技術者は、私流の解釈によると 100 名以下ということになります。(それを裏付けることになるかどうかはわかりませんが、Java Kuecheに登録している技術者の数は、80 名ちょっとです。沖縄県内に限定すると、もう少し下がります。)

IT 津梁パークが現実味を帯びていますが、プログラマの絶対数の議論に終始していることを懸念しています。この絶対数は、皆が同じスキルをもっているという過信に基づいていないでしょうか。全員がオブジェクト指向を理解できるようになることが理想ですが、現実はそうではありません。であるならば、実は絶対数は重要ではなく、スキルの高い技術者の数をアピールする戦略があってもよいと思います。

そうなっていないのは、やはり「人件費の安さ」を全面に押し出すのがオフショア戦略の根幹にあるからでしょう。これが技術者のモチベーションを下げているのか、もしくは技術力をつけなくてもいいのだというメッセージをうけて安堵しているのかは、わかりません。