常識を疑うことの大切さと、難しさ

週末はこの本を読んで、いろいろと考えてしまいました。

「偽善エコロジー 環境生活が地球を破壊する 武田 邦彦 著」

私も(この本に示されているように)環境について心配している一市民です。
ゴミの分別からペットボトルのリサイクルを配慮し、牛乳パックは洗って乾かし、地球温暖化を何とか止めなければと心配しています。しかしこの本はまったく逆の主張が展開されていきます。

  • レジ袋はどんどん使った方がいい。
  • マイ箸ではなく、むしろ割り箸を使う方が環境に優しい。
  • 温暖化は CO2 削減努力で防げない。
  • ダイオキシンは危険とはいえない。
  • 古紙のリサイクル、牛乳パックのリサイクルは意味がない。

これまで「当然」と思っていたことを一つ一つ検証していくことで浮かび上がってくる事実があります。
真面目に環境を心配する人にとって驚くことばかりですが、本書で大切なことは「検証する姿勢」でしょう。

常識を疑う - 私達にとって、このフレーズは簡単なことではありません。しかし常識の先に真実があるなら、私達は、それを知りたいと思います。

もう一つ、この本から学んだことがあります。それは専門家と呼ばれる人は世間の反感を買うことになっても、真実を伝える姿勢をもつということです。私も IT 業界に携わって 20 年近くになり、外部からみたら専門家に近いポジションにあることでしょう。自分の発言の重みを考えながら主張すべきことは主張する - そういう姿勢を持つことは大切であると改めて考えさせられた次第です。

では IT 業界で(関係者が知っている)常識のウソとは何でしょうか。周りへの影響が大きいものとして、二つあると考えています。

・赤字プロジェクトは、なくすことができる。 -> 「なくせない」
 なぜなら、契約締結時に根拠となる見積は "あいまい" だから。

コンプライアンス、内部統制はツールの導入で解決できる。->「できない」
 なぜなら、人の "信頼関係" はツールで補完できないから。

もちろん主張するだけでなく、その改善策を提示することが大切です。難しいテーマですが、会社活動をとおして、当社の回答を提示していきたいと思います。