売れなくて良かったな、というアドバイス

昨晩、とある案件のキックオフミーティングで久しぶりにお会いした県内携帯電話会社の取締役とお話しました。

「まだ東京出張生活、続いているの?」

「3 年になりますが、爆発的に伸びるということには至っていません。今はお客様の要望を一つずつ、地道に改善しています」

「ということは社員数も増えていない?」

「現状維持ですね」

「...案外、よかったかも知れんなぁ」

そのココロはこうです。もし2年前に Wagby が大ブレイクしていれば、今頃、私は天狗になって事業拡大していただろう。しかしこの経済危機はホンモノ以外の製品を吹き飛ばす。Wagby がホンモノな状態の前に売れてしまえば、急激な事業縮小で辛い目に会うのは必定。しかし実際には3年も地道な改善を継続してきた。数は少なくても継続して使っていただけるお客様がいることが大切。

今は Wagby を「なくてはならない」製品にするべく、エネルギーを投入する時期。ここでホンモノにすれば、あとは天の時がくるまで。当社には「地」と「人」というかけがえのない財産があるのだから、迷うなというアドバイスをいただきました。

こうやって勇気をいただけるのは何よりもありがたいです。大荒れの今、開発投資を続けていくのは、ある意味で鈍感な決断力です。それを吉とするよう針路をとるのが経営なのだと、自分に言い聞かせています。