日経コンピュータ「インドで鍛えろ!」を読んで

2008年11月1日号(No.716)の特集記事から。大手 SIer の研修がインドで行われているというものですが、記事を読む限り技術研修というよりは「インドという文化の特殊性、日本とは大きく異なるルーズな感覚へ対応できる精神力を鍛える」ための体験コースというものでした。彼らの技術力を肌で感じ、どうやって管理すればいいのかということを言語面、文化面などさまざまな視点で体得するということでしょう。製造コストの価格を下げるために、オフショアを推進する以外の道はない、という強い意志を感じます。

記事に紹介されていた企業の多くは、現時点では強制力を伴う研修ではなく、自薦のようです。しかし数年以内に、この研修が企業における出世の登竜門として認知されることになるでしょう。私達が英語を学ぶ理由は、以前は先端的な技術を学ぶためでした。今はオフショア開発における管理能力の向上へと変わっています。

この流れは止まらないことはわかっているのですが... IT 産業界をますます、つまらなくしている一因になっていると思っています。

このバックボーンにあるのが人月制度の維持でしょう。単価を落としてでも 1000 人月といった大型プロジェクトを回さないと成立しない SIer の構造それ自体が、もはや死に体であるというのは言い過ぎでしょうか。小さなチームで大型案件を回せること。その手段として自動化を含む工数削減策をお客様に提案することが、顧客にとって良いサービスになり得るのではないかと思うのです。