ではオフショア開発に課税すれば地方IT企業の業績は上向くのか?

というと、もちろんコトはそんなに単純ではありません。2000年頃は「Javaの技術者が足りない」と東京が大騒ぎで、そのメッセージは沖縄にも届いていました。しかし地方の大多数の中小IT企業は、そのニーズに応えることができなかったというのが私の実感です。Java講師の経験から、Visual Basic プログラマオブジェクト指向技術を正しく習得できる率は 50 % 前後でした。しかも Java はどんどん進化したのですが、それにあわせて学習を続ける技術者は一層、少なくなります。このため、大企業は仕事を出したくても地方は受けられない、ということになり、海外シフトが進んだという要因もあるとみています。

では 2008 年現在はどうか。相変わらず地方の中小IT企業は Visual Basic 中心であり、ちょっと背伸びして LAMP です。このレベルでは発注側が求める技術に足りません。オブジェクト指向を本当に理解している技術者が必要なのです。

もちろん優秀な Java 技術者は地方にも少なからずいます。そこで次の問題は、その数少ない Java 技術者が正当な報酬を得られるかということです。この業界では優秀な技術者と、大多数の普通の技術者との生産性の差が 10 倍以上というのが珍しくありません。おそらく他の業界ではこれほどの差は出ないでしょう。しかし下流工程に位置づけられるプログラマは、どれだけ優秀でも、二倍の給料をもらうことができませんでした。これまで一般的だった人事報酬制度では、優秀なプログラマの評価が難しいのです。そもそも優秀かどうかの定義さえ、ままならない。「優秀なプログラマに高い報酬を払うビジネスモデルを構築できた経営者(会社)がほとんどいなかった」ことが、技術者が地方から東京に出て行ったことにつながります。これも難しい問題で、例えば ITSS の採用ですぐに解決できるとも思えません。高い報酬を出すためには、それだけの収入をもたらさないといけない。しかし派遣系ではそのような収入を得ることは難しいでしょう。まったく新しいビジネスモデルの構築からはじめないといけないということです。地方でできないわけではありませんが、東京に籍を置くベンチャー企業でも四苦八苦していることをふまえ、そこまでの覚悟をもって臨めるか?ということです。

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