ゲームのルールが大きく変わりつつあること

SaaS の登場以降、システム開発のアーキテクチャ設計に影響を及ぼすような変化が始まっています。SaaSクラウドコンピューティングへと進化し、もはや「ASP と何が違うの?」と言われるレベルではありません。

基幹業務は SAP に代表される大手 ERP が強いですが、それ以外の多くの分野はクラウドコンピューティングへの移行が進むと考えられます。Amazon の SimpleDB などを使うとデータベースも「ネットの向こう側」に置くことができます。そこは SQL とは異なる世界で、基本はハッシュマップです。REST でトランザクションを扱うことに抵抗を感じる人は多いでしょうが、ネット接続が当たり前になったため、違和感はなくなりつつあります。

サーバ、データベース、そしてミドルウェアが再び作り直され、クラウドコンピューティング環境を提供できる数社の大手ベンダーの元に再統合されることになります。Google, Amazon, Microsoft そして Salesforce.com あたりが有力なクラウドコンピューティング提供ベンダーでしょう。国内大手企業も参入するでしょうから、これから「開発会社の囲い込み」合戦が激しくなると思います。Microsoft だけはすでに .NET を扱っている SIer をそのまま移行できるでしょうが、JavaRuby を扱っている SIer は悩みどころです。大切なことは、これまでの C/S そして Web システムとは作り方も運用の考え方も変わってくるということ。だいたい 10 年スパンでみると「1990年代が C/S、2000年代が Web、そして 2010 年代がクラウドコンピューティング(Webの発展)」と捉えられます。

当社にとっても、再びチャレンジングな時代がやってきました。私はこの変化を歓迎し、積極的に受け入れたいと思います。