昨 12 月 5 日は沖縄にて「GISフォーラム2008 in 沖縄」が催されました。私も午前中から夜の懇親会(一次会)まで参加しました。
当社が GIS 学会の沖縄事務局を担うことになって、産学官での共同イベントとしてこの会も定着しつつあります。特に今年は 150 名の来場と過去最大規模のフォーラムになりました。関係者の皆さん、本当にごくろうさまでした。私も参加して楽しかったです!
GIS は学会と民間、そして行政の目線が「近い」内容です。極端にアカデミズムに走らず、現場が使えることを意識しつつも研究ネタも豊富で、最近は地域の街づくりにも貢献しています。東京大学の今井先生の講演からは、街づくりに有効な事例が多く発表されました。
しかし一方で、「現場にとって当たり前の GIS」が求められるほど、旧来の産業構造とのギャップが広がっているということに気付かされます。街づくりを主体的に行う地域、NPO、学校などの多くは潤沢な資金をもっていません。知恵や汗は出してもお金は出せない、そういう環境で使う GIS は必然的に「無償ソフト」「無償データ」が求められます。コンサルティングもボランティアベースが良いでしょう。そうなると大学関係者は活躍の場が広がると思いますが、ソフトウェアベンダーや SIer は、正直、もうお呼びではありません。GIS を扱う民間企業は、ソフトウェアやデータで稼ぐというビジネスモデルを見直さないといけません。
ではどうすればいいのか。私が思うところは、ソフトウェアやデータの上位概念部にビジネスがあるということです。簡単にいうとデータの組み合わせに付加価値をつけること。基盤データや、コンビニ、銀行、ガソリンスタンドの位置といった基本ポイント情報の売買ではビジネスになりませんが、こういう組み合わせはどうなのでしょう。
- ANAやJALのマイルがもっともためやすいショップを厳選。
- 物語を付加したコンテンツの充実。
- 一見、無関係なコンテンツ同士を組み合わせた、新しい発見の提案(観光ルート)
いずれも手間がかかりますが、その手間に興味をもって、お金を出しても楽しみたいという人に提案することになります。
料理は、高い素材だけではなく、かけた手間によって美味しさが変わります。GIS も素材(基盤データ)の品質は重要ですが、素材の組み合わせにかける手間で勝負することになるということです。
しかし、ますます当社のビジネスとは離れていきますね...