ブレイクする技術には「物語」が必要

IT業界に限らず、多くの会社では技術と営業の意見が食い違う光景はよく見られます。技術サイドは「自分の技術力にマッチする仕事をとってきてほしい」と思いますし、営業サイドは「会社のためには、一見、合わないと思うような仕事もやることが必要」と言います。どちらも正論です。

しかしここでは、あえて技術者の視点にコメントします。技術者ですのでもちろん、他に比べて「優位」だと思う点があるわけですが、その優位性は結局、お客様にとって次のいずれかになります。

  • 安い。
  • 早い。
  • 必要な機能が過不足なく提供されていて、かつ、不具合がない。

技術の優位性を上の視点で説明するには、勇気が入ります。この業界に入った頃,こういう笑い話を聞きました。

「私達はお客様の求める安価、短納期、高品質なシステムを提供できます。」
「ほんとですか、ぜひ、お願いします。」
「ありがとうございます。では、いずれか二つを選んでください。」

これを笑い話ではなく現実のものとするために、私達は Wagby を開発しました。しかしやってみてわかったのは、「短納期」をアピールできる機会がなかなかない、ということです。皆が知っているテーマで、しかし短納期のため誰もつくりたがらないシステムを Wagby で完成させた!という「物語」があると、その後の営業展開にはずみがつくでしょう。

今頃気付いたかと言われそうですが(根が技術者上がりなので...)Wagbyの技術力をアピールするのではなく、物語をつくることが先です。これは技術を軽視する意味ではありません。物語の普及は、技術力という裏打ちがなければ成立しないのです。

ということで来週から、具体的な「物語」のアピールに営業の軸足を移していきます。スタッフの皆さん、しっかり支えてください!