40 歳の抱負

個人的なことですが、今月で 40 歳となります。「不惑の歳」で知られる年代ですが、「狭い見方に捕われることなく、心の迷いがなくなる」と孔子が語ったとされています。

振り返ってみると 32 歳で起業し、実に素晴らしい 30 歳代を過ごさせて頂くことができたと思います。家族や社員、そして販社、お客様に支えられながら、一つのテーマを追い求めてきました。それは何かと言えば

「お客様と開発者の双方が満足するシステム開発の在り方」

です。

その背景には、人月制度の根本的な矛盾を依然として解決できない IT 業界に対して、具体的な解決策を自分たちで示したいという思いがありました。また、業界全体がオフショア開発に傾注する中で、ソフトウェア開発はヒトを集めることだという発想への違和感があり、人件費単価ではなく工数を削減することに注目すべきだという思いがありました。

その成果として Wagby という製品を誕生させ、この製品の拡張に多くのエネルギーをかけてきた 30 歳代でした。同時に学んだことは、良い製品をつくることと、これをお客様に提供するための手法を見つけることの両輪が必要であり、片方だけでは会社はうまく機能しない、という当たり前の事実です。どうすればお客様に満足して頂くことができるか、そしてプロジェクトに関わるすべての人々を満足
させることができるかという視点で、何度も社内や販社の皆様と議論を重ねながら会社運営を進めてきました。

今、私達の進むべき道は、固まりつつあると実感しています。Wagby という製品は継続的な発展を遂げ、例えば「定額給付」という自治体業務をカバーできるほどの能力を持ったことを実証しました。また、技術開発部のスタッフが直接、お客様のところへ伺って一緒に開発するというプロセスを通して、お客様へ Wagby を提供するための望ましい方法も見えてきました。今年はこれをサービスメニューとして体系化し、公開していくことが求められています。

重要なキーワードは「わかりやすさ」だと考えています。

受託開発はお客様からみて、実にわかりにくい世界です。見積一つとっても会社毎にすべて数字が異なりますし、開発途中の工程がどうなっているかもわかりません。最終的に上がってきた成果物をみて、はじめて発注側の希望に沿ったものかどうかが判断できます。しかしそのときにはもう、変更要求は手遅れという状況であることが少なくありません。これをどう解体し、"わかりやすい受託開発" の在り方を示せるかが、腕の見せ所です。Wagby は、このような受託開発を支える技術基盤となります。

いよいよ、当社ならではという新しいサービスメニューを 7 月に発表します。

現在、着々と準備を進めています。乞うご期待ください。