システム内製支援サービスを開始します

ジャスミンソフトは本日「システム内製支援サービス」を発表しました。

実はこのサービスの原案は、昨年まで遡ります。

"Wagby という製品が産み出す、新しい価値とは何だろう?"

これは私達が Wagby の開発を継続しながら、常に自問自答していたことです。

ソースコードの自動生成による直接的なメリットは「短期で開発できること」や「一定品質で安全なソースコードを入手できること」です。しかし、これらは開発者視点であり、システムを実際に利用する立場である、お客様にとっての新しい価値、とまでは言えないことに気付きました。

Wagby だからできる、お客様にとってのメリットをつきつめていった解の一つが、私達が提案する「システム内製支援サービス」です。

昨年 10 月に日経コンピュータで特集された "システム内製化 再び!" の記事は、私にとって貴重な視点でした。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NC/20081009/316585/

以前、同業の方に「SIer と呼ばれる企業がこれだけ多く存在しているのは、日本だけ」と伺ったことがあります。他国の企業ではシステムは内製(もしくはパッケージの組み合わせ)が当然であり、少なくとも "丸投げ" に相当するような行為はあり得ないというのです。

問題の本質は、お客様が主体的にシステムに関わっているか、という点につきます。主体性を高めていけば内製化になるでしょう。その反対は外注化であり、究極の形はアウトソーシングになります。

アウトソーシングは本来、自前で持たなくてもよいものを切り出す、というのが主旨です。よってアウトソーシングの議論の前には、その企業のビジネスモデルについて選択と集中を行うという経営判断が必要になります。
ところで企業システムは本来、自社のビジネスモデルと同義です。その部分を丸投げし、コンサルタントに儲かる仕組みを教えてもらうというのは主体性がありません。

苦しみながらも自分の力でビジネスモデル(=儲かる仕組み) を追い求めるのが企業の本来の姿です。どこどこのパッケージソフトを導入したら売上が上がるといった他力本願が幻想であることに気付き、自分流を貫く企業にとって、システム内製化というのは自然な帰結といえます。

しかしシステム内製化への道は、簡単ではありません。リーダーや専門家の不在、自社システム要員の最新技術へのキャッチアップなど多くの問題があります。諦めたくなる気持ちもわからないではありません。

Wagby はまさにこの部分を支援します。ソースコードを開発・保守するのではなく、あくまでも経営視点によったビジネスモデルをつくっていく。自社システム要員を上流工程に投入しつつ、PDCA サイクルにもとづいて常に評価、検証し、改良を加えていくのがシステム開発の正しい姿です。

システムはつくったら終わりではなく、カットオーバーしたその日からすぐに改善が始まります。それをいちいち外注しているようでは仕事になりません。「自らで PDCA サイクルを実践できる」ようになってはじめて、システムは有効に機能します。

Wagby の価値は、お客様に、そのような成功体験を提供することです。