戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)第5回成果発表会

本日、東京の学術総合センターで開催されていた発表会に参加してきました。(二年後は私も発表予定です。)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000021996.pdf

プレゼンテーションでは、横浜国立大学の倉光先生が開発した「konoha」を聴講しました。
http://konoha.sourceforge.jp/

iPhone でも動作しますね。自分で言語を設計する喜びがふつふつと感じられる内容でした。

パネルでは、兵庫県立大学の「瓦製造法による導電セラミック粒子製造手法と電磁波吸収・遮へい材実用化に関する研究開発」に好感を持ちました。地元に伝わる "瓦" の製造法をそのままに、セラミック粒子を付着させ、これを電磁波吸収材として展開してしまおうというもの。知らなかったのですが、電磁波吸収材は一定のニーズがあって、例えば ETC 装置の周りにもゴム状の吸収材がついています。しかし日光にさらされるため、短くて 1 年で交換しないといけないとか。"瓦" なら耐久性などのメリットがあります。

技術による地域振興の基本は、地元がすでにもっているコンテンツ(すでに職人がいるという意味です)を、いかに活用して横展開を図るかです。もう少し掘り下げると、ビジネスに共通している成功の方程式は (1) まず何か一つ強みをもつ (2) この強みを横展開していく、と言えます。

しかし多くの自治体では、工業団地を整備し、大手メーカーを誘致して、地元の若年労働者の雇用対策に充てるというのが地域振興と考えられている節があります。これが間違っているわけではないのですが、"多くの" 自治体が同じことをしているのが、なんだかなぁと思うわけです。他所と同じことをやれば、価格競争に陥るのは必然です。価格競争を避ける地域振興に目を向けるなら、差別化のためのアイデアこそが大切になります。それが難しいことは百も承知で、だからこそ、きらりと光るアイデアは貴重なのです。