Java Kueche 記念講演会 at OSC 2009

先週の土曜日は無事に Java Kueche 記念講演会が催されました。関係者の皆さん、ごくろうさまでした。

浅海さんのセッションでは GAE/J との具体的な付き合い方、注意点、アプリケーション開発例などが示され、ためになりました。嬉しかったのは、県内の若手エンジニアが 40 名集まって熱心に聴講したこと。自社・他社の区別なく、県内在住のエンジニアが何かインスパイアされるきっかけになれば嬉しいです。

萩本さんのセッションは後半からどんどん熱いものが伝わってきて、聴講した 25 名の方は興奮したのではないかと思います。私がもっとも唸ったのは、「奇麗な ToBe を最初に決めて、それに向かって進むというストーリーは美しいが、実際にはうまく機能しないのではないか。現実 (AsIs) から理想 (ToBe) へ向かおうとするアプローチ、つまり AsIs と ToBe の関係性の中に、その組織が必要とする解が存在する。それを見つけていく努力をしてはじめて、価値が発見される。」という主旨のお話でした。

これは私が以前から考えていることで、ある会社の「ベストプラクティス」を自社にあてはめようとしても、うまくいかないということだと解釈しています。言い換えると ERP パッケージにあわせて業務を変えれば成功するという簡単な勝利の方程式などは存在しないと自覚し、さまざまなアプローチを試しながら自社にとって最適な解を見つけるのが、遠回りのようで実はもっとも強力だという理念です。

そのためにはシステム開発の手戻り、やり直しを許容できる体制が必要です。自動生成などさまざまなテクニックを使って試行錯誤に関するコストを下げることによって、このアプローチは現実的になります。一度つくったら数年はそのままなどというシステムは、法律で決まっている定型業務以外では、あり得ないはずです。