昨日、午後のセッションからずっと参加していました。
http://www.java-users.jp/contents/events/ccc2009fall/timetable.html
私が聴講したテーマは次のとおりです。
- デベロッパのためのHTML5入門
- SQL脳からBigtable脳へ
- Google wave で始まるリアルタイムコミュニケーション
- クラウドを超えた先の企業システム像 http://www.arclamp.jp/blog/archives/jjugccc2009fall_report.html
- ローカルマッシュアップで広がるIMEの新たな可能性
- Mobile 2020 AR/MR/VRの挑戦 http://www.gclue.com/top.html
GAE に代表されるクラウド系と iPhone/Android に代表されるスマートデバイス系の未来は明るい、というセッションに、大いに啓発されました。一方で、「クラウドを超えた先の企業システム像」では鈴木雄介さんの冷静な分析が良かったです。ユーザー視点からは「クラウドは何でもできる」ではなく、「この案件にはクラウドが向いている、これは向いていない」という判断があるでしょう。クラウドが提案した良いところを、これまでのエンタープライズシステムが吸収していくように考えていくのは重要です。
個人的には、GAE 上での ACID 特性の代替案をどう設計するかに興味があります。「SQL脳からBigtable脳へ」でひがやすをさんが力説していましたが、GAE の制約を知り、それをうまく使いこなす必要があります。GAE では(正確には BigTable では)RDBでいうところのコミットの単位がテーブルの行単位で、複数テーブルにまたがるコミットを保証するトランザクション制御のための API がありません。このため開発者が Java コードを書くことになります。
既存の多くの社内システム開発に、また一つ「クラウド」という選択肢が加わります。これをどう連携させるか?も大切なテーマです。データハブを用いるといった仕組みも大切ですが、データのクレンジングも忘れずにやらないといけません。そう思って住所正規化コンバータを世に出しています。
今回の CCC で J2EE に代表されるエンタープライズシステム開発ネタが少なかったのは、現在、第一線で活躍されている技術者の準備時間なのだろうと思っています。1 〜 2 年後には、クラウド上でのエンタープライズシステム開発手法に関するセッションが登場するでしょう。その頃には、Wagbyのクラウド対応も実現している予定です。