日本Springユーザ会(JSUG) が企画する、今年最後の勉強会に参加してきました。
http://www.springframework.jp/
収穫は、SpringSource が発表した「Cloud Foundry」のデモを行う発表でした。
http://www.cloudfoundry.com/
この実体は、Amazon EC2 上に独自の AIM を用意しているものです。
さらに独自の管理ツールを提供しています。
まず Eclipse で war ファイルを作成し、これをアップロードします。同時にMySQLのDDLスクリプトを登録することもできます。(ただ、インスタンス起動時にいちいち DDL を流すのは大変なので、ssh でログオンし、手動で DDL を流すという方法も使えます。root 権限で AIM にアクセスできます。)
デプロイ時に、EC2インスタンスタイプ(Small など)を指定できます。また、MySQL の master - slave 指定なども同時に行えます。
Multi Instance にすると HTTP Server がロードバランサとなって複数の tcServer を起動させることができます。これは便利です。
MySQL のデータ保存先には Amazon EBS を指定できます。価格は $0.10/1G/Month です。これはストレージデバイスとして EC2 インスタンスにアタッチされます。EBS を使わず「ローカル」を選択することもできますが、この場合はインスタンス停止時にデータが消えますので、業務システムとしてはよろしくありません。事実上、EBS を利用することになるでしょう。バックアップ頻度も指定する事ができるようです。(おそらく S3 へのバックアップと思われます。)
なお、デプロイには 3 分ほどかかりました。デプロイ後は、Cloud Foundry の管理画面で、コストも確認できます。アップロードした war ファイルは、S3 に保存されるとのことです。
まとめると、Cloud Foundry とは Amazon EC2 の API を活用した、独自の管理システムを提供するものです。自分で AMI をつくるより楽、という印象を受けました。Tomcat ではなく tcServer (SpringSource が手を入れた Tomcat)というのも良いでしょう。
少なくとも Spring Source がうたう「Enterprise Java Cloud」のプラットフォームが Amazon EC2 になっているのは事実です。日本からだとネットワーク遅延の問題が常に指摘されていますが、今後のデファクトになりつつあります。
ただし Cloud Foundry はまだ価格体系が明らかになっていません。便利なことはわかりましたが、あとはどの程度の価格になるのか、興味があります。