Wagby とアジャイル開発の関係

次の記事を読んだ考察です。
「有能な人がコードを書くべき」「意志決定はできるだけ先延ばし」「契約を変えるのは難しい」アジャイルの専門家の答え
http://www.publickey.jp/blog/09/post_77.html

ユーザーインターフェイスと、ユーザーインタラクションは異なる、という指摘は重要です。お客様は「ざっくりでもよいから、まず動くもの」をみて、そこから発想が広がります。これを仕様変更として嫌うのが SIer の文化ですが、Wagby はむしろ率先して受け入れます。ただ、Wagby 定義ファイルの中では「データベーススキーマ」「ユーザーインターフェース」「ユーザーインタラクション」がまとめて一つになっているため、これをわかりやすく分離することは今後の課題でしょう。それによって、よりアジャイル開発が行いやすくなると思います。

そして、さらに重要な指摘は契約についてです。記事の中で

契約というのは、問題が発生したときにお互いを守るためのものです。

とありますが、これは SIer にとって形骸化していると言わざるを得ません。「見積一式いくら(詳細なし)」に代表されるように、そもそも金額が何に対する対価なのかを示せていません。H/W 販売で粗利を出し、ソフト開発の変動を吸収するというようなざっくりなビジネスは、クラウド時代では不可能になります。私達はその事実を受け止め、今年 7 月に独自指標による MDC 方式(Model Driven Contracting) を提案しましたが、今後はこのような見える化を業界全体として真剣に取り組む必要があると思います。アジャイル開発を成功させる基盤は、契約にあると考えています。