スルガ銀-IBM裁判の IBM 社主張で考えること

こちらも日経コンピュータ (2010.3.17) のレポートより。このレポートはずっと追っています。
SIer である IBM 副会長の発言からは、この業界の問題が詰まっているようです。

  • 「(発注先は)要件がどんなに膨らんでも支払い費用が増えることはない、要件を膨らませるほど自社にとっては有利となる、と考えていたようにも思えた。」
  • 「(発注先は)最終合意書に記した金額を既得権として考えているようだった。」

発注先(ユーザ)と SIer の関係を「共に問題解決に取り組むチーム」にしたい、というのが SIer 側に共通する願いなのですが、それが受け入れられず、いわゆる「業者扱い」になると、プロジェクトはうまくいきません。さまざまなプロジェクト管理手法が体系化されていますが、もっとも基本となるチームづくりで信頼関係を構築できなければ、管理手法はただの数字管理のみとなり、形骸化するでしょう。

果たしてこの裁判結果がどうなるのか、結審および一審判決言い渡しは年内だそうです。