目先の売上より、自分達の哲学を守ることを優先させよう

お客様へのシステム提案で、私達ができる方法は大きく二つあります。

  • Wagby を使って、私達の社員が Wagby 定義ファイルを書き、納品します。
  • Wagby の使い方をお客様にお伝えし、定期的コンサルを交えて、お客様に構築していただきます。

どちらが売上になるかというと、前者の方です。人が稼働すれば、それだけ工数が発生します。しかし私は、必ずお客様に二つの案を示すように営業に伝えています。後者は極端な話、前者の半分以下の売上になることも珍しくありません。

しかし、私達の存在意義は、お客様が自立できるシステム部門となるためのお手伝いをすることだ、と考えています。
それは一般に「内製化」と呼ばれています。1990年代から始まったオープンシステムの潮流で、お客様自身による内製化は激減しました。その復活を支援するのが当社の使命であり、それを実現できるように Wagby をレベルアップさせていかなければなりません。

当初、Wagby は私達自身の受託開発の利益率を上げるための内部ツールという位置づけでした。しかし一般公開から数年たち、お客様が私達に期待することは内製化の支援であるという思いを理解しました。そのためには目先の売上を追わず、本当にお客様にとって内製化の方がメリットがあると伝える活動を継続するということです。

正直なところ、「内製化より、何でもいうことを聞く便利屋的な SE がほしい」と暗に伝えるお客様も少なくありません。しかし一方で、優秀な SE に継続的に支払うコストを負担できないという現実もあるため、お客様自身もジレンマの中で困っていらっしゃいます。品質の高いシステムを、短納期かつ安いコストで構築し、かつ継続的な保守も可能という、現実的な選択肢は「内製化」だということを真正面から提案できる SIer は、まだ多くありません。技術の差別化ではなく、ビジネスモデルそのもので差別化するのが、今、求められているのだと思います。売上優先で場当たり的に対応するのではなく、「ジャスミンソフトは内製化を支援する(ちょっと変わった)SIerである」というブランドを構築していきましょう。