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ソニーの SmartAR 技術をみて、電子書籍はメディアとして発展途上であり、ゴールは先にあると実感した件

先週末に銀座のソニープラザで、開発中の SmartAR を体験してきました。
http://t.co/ZgKbPr4

部屋に設置されているレストランのメニューに携帯電話をかざすと、メニューを認識し、詳細な情報がスクリーンに表示されます。アニメ「電脳コイル」を彷彿とさせる技術でした。

セカイカメラは位置情報を使っていましたが、ソニーの方式は画像認識だけでARを実現しています。画像データを写真で撮って登録するだけですので、データの準備が簡単です。大変なのは(その画像に紐づく)コンテンツを提供することですが、そこが本来、重要な点です。

説明されている何名かの方とお話しましたが、ビジネスモデルについては白紙とのことでした。そこで私なりに、どういう応用が可能かを考えてみました。

結論は「これは新しい(ネットワーク)メディアである」ということです。

ファッション雑誌とAR

展示商品の詳細な情報を表示する。これはファッション雑誌やグッズ紹介雑誌が果たしてきた役割です。ソーシャルメディアとつながることで、どのくらいの人が "いいね!" と推奨しているか、また誰かがレビュー記事を書いているか、最安値はどうか、といったことがすぐにわかるようになります。

この技術を携帯電話にとどめておく理由はありません。例えばテレビに組み込めば? ドラマの俳優が着けている服を認識して、情報が表示されます。ドラマセットに登場するおしゃれな家具、グッズ、ロケ地の案内なども出てくるでしょう。従来のテレビCMに代わる新しい広告アプローチとして有望視されているものですが、これまではデータの準備が大変でした。商品の画像を登録するだけでよいとなれば、いよいよこの手法が使われることでしょう。

これはファッション雑誌の新しい形になりえます。編集者や記事執筆者は新しいメディアに活躍の場を移すでしょう。現在、各種の雑誌の電子化が進んでいますが、これまでと同じ雑誌という入れ物を単にタブレット向けに提供するだけでは、読み手は満足しないでしょう。雑誌はARという枠組みに組み込まれていきます。コンテンツは変わらないですが、見せ方が変わるということです。

この方向は、電子書籍そのものを否定するものではありません。週刊連載もの、小説、論文、専門誌といったコンテンツはタブレットで読めることが求められると考えます。つまりストーリー性を伴う物語と、紹介系コンテンツは扱いが異なるということです。後者はAR向きです。

ソニーはこの技術を使って広告運営のビジネスに参入し、旧来の雑誌系メディアを再構築するハブになることができるのではないでしょうか。

この可能性をもう少し拡げてみます。

旅行とAR

ソニープラザのデモでは、ある椅子に携帯電話をかざすと、そこにアバターが登場するということが実現されていました。これを使えば、観光スポットにかざすことでバーチャル添乗員が登場し、説明をはじめるということも可能でしょう。当然、多言語対応です。キャラクタも好みに応じて選択できるようにもなるでしょう。まるでゲームのように、携帯電話をあちこちに向けると隠れコンテンツが表示されたり、ポイントをためたりといった応用もあるでしょう。

体験型ゲームとAR

単なる説明要員のバーチャル化にはとどまらない可能性もあります。例えば推理小説の作家とコラボレーションをして、「沖縄2泊3日、万座毛殺人事件、犯人を探せ」といったツアーを企画することもできそうです。携帯電話をかざしつつ証拠を探し、自らが探偵になったつもりで観光スポットを回りながら事件に遭遇し、犯人を追う。登場人物は全員、バーチャルです。ゲーム機の中でやっていた体験を、リアルワールドに持ち込むことになります。

地元の活性化にAR

これも例えば沖縄だと、地元ローカルキャラクタの琉神マブヤーが携帯電話の画面に登場し、マブイを探しながらハブデービルと戦うといったミニストーリー体験コースを用意することができそうです。ショッピングとからめるなど、地元の活性化にも貢献するのではないでしょうか。

まとめ

AR 技術は、デジタルとアナログを結ぶ架け橋として有効だと感じました。

「通信と放送の融合」というキーワードがいよいよ具現化します。単に放送形式をデジタル化するだけにとどまらず、既存のメディアの在り方を根本的に変えていくのが正しい認識でしょう。その時代におけるビジネスのメインは、企画力とコンテンツ提供力にかかってきます。つまり文化発信です。これは先進国のビジネスモデルとしても正しい方向だと思います。

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