Steve Jobs 氏への哀悼、そして誰もが Jobs 氏のような人生を送ることができるという気付き

昨日、Jobs 氏の訃報を知り、死のぎりぎりまで経営に携わったという彼の人生に改めて畏敬の念を抱きました。経営者として見習いたいと思います。またコンピュータ大好きの一人として、素晴らしいパーソナルコンピュータを世の中に出したという功績に心から感謝します。

個人的には Macintosh SE/30 以降、20年余りの Apple ユーザーです。(正確には Apple だけでなく Windows や Unix/Linux も併用しましたが、OS X の登場以降は Mac に一本化できました。)その間の Apple の経緯や、Jobs 氏の動向もメディアを通して常にウォッチしていたので、本当に感慨深いものがあります。Jobs 氏のリーダーシップにより、コンピュータは業務利用だけでなく、個人の創造性を発揮するツールとして世界に広まったと思います。余人をもって代え難い仕事でした。

Twitter で彼の業績を称える言葉を読むたびに、うるっとしてしまいます。フォローしている方のつぶやきで知ったのですが、2001年のNHKクローズアップ現代に登場した Jobs 氏へのインタビューを視聴できます。これはありがたいです。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=1403

改めて彼の言葉を聞いて、気付いたことがあります。人は誰でも彼のように生きることができる。それは世界一の企業家になるということではありません。(もとより彼の目標はそれではなく、結果的にそうなったというだけでしょう。)番組の中での言葉を拾ってみます。

  • (経営は)大変だが、あきらめようと思ったことはない。
  • 起業家には情熱が大切。
  • 最初は自分たちのためにつくった。
  • いつも楽しみながらやっていた。
  • お金が目当てで起業して成功した人をみたことはない。
  • 自分のアイデアを広めたいという思いが必要。
  • 出荷を延期してでも製品を改良する。
  • リーダーの決断を社員は見ている。
  • 社員は自分の努力がユーザーに喜んでもらえると実感できれば、やる気になる。

彼はまた、これも有名なスタンフォード大学での卒業生向けスピーチの中で「常に死を意識する」ことに触れています。死というリスクに比べれば、失うものはないに等しい。自分の信じたことをやりとげようと学生に語っています。

私なりの解釈は、次のような言葉に集約されます。

人のためではなく、自分のために生きよう。

さまざまなしがらみや逆風の中で、それでも自分が信じるものを捨てないで頑張れるのか。極端な話、無給でもやれるのか。そういう想いを持てる人生が幸せであり、お金や名誉は眼中にありません。経営者という立場でこれを貫くには、相当な覚悟が必要だと実感します。

Jobs 氏の「個人の創造力を解放する」活動は、しかし既存の業界の収益構造に大きな変化を促しました。iPod から始まるデジタル機器は音楽業界、出版業界、広告業界さまざまな分野に波及しています。これをもって彼を恨む人も少なくないでしょう。それでも私は「コンピュータの能力を活用することが、人にとっても良いことにつながる」という信念を支持します。人がコンピュータに使われることで成立するようなビジネスは本来あるべき姿ではありません。

Jobs 氏の経営人生は21歳ではじまり、56歳まで続いたので、35年です。最後の10年は一気に世界へ駆け上がりましたが、これを支えた技術 - 特にソフトウェア技術基盤 - の構築はその前の 10 年間、彼が Apple を離れている間の NeXT で培われたものであることを知っています。NeXT は商業的成功に至りませんでしたが、今の Apple の技術のコアになっています。それだけの時間が必要なのです。

私の経営人生は、たかだか 11 年です。会社の基盤技術となる自動生成エンジンはまだ 7 〜 8 年程度。これは発展途上段階といえます。しかしこの「業務アプリケーションの自動生成」という技術は人間を単純労働から解放し、少人数で大規模なアプリケーション開発を行うことができるような革新性があります。これによって世界中の IT 化スピードを1桁、上げることができます。必ずこの技術は社会の役に立ちます。その初心を忘れず、文字通り人生をかけてやりとげる仕事として、今日も Wagby の営業と開発に携わりたいと思います。

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