第二回Wagbyユーザー会(大阪)参加報告

さった24日に、大阪でのWagbyユーザー会が催されました。総勢10名の参加で、こちらも熱気ある会となりました。

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今回のご発表は、国際航業株式会社様による「WebIMS」の事例です。今年3月の日経コンピュータ特集記事にも掲載されており、Web記事「あなたの知らない超高速開発」で、次のように登場していました。

国際航業の千田玄 第三技術部空間情報グループプロジェクトマネージャーも「ITで業務を支援できるツールとしてBRMSが心に刺さった」と話す。千田氏はユーザー部門で品質管理システムをBRMSで自作。今後はそのシステムを全社システムとして広めるという。

この「WebIMS」ですが、IMS とは Integrated Management System の頭文字ということです。具体的には7つのマネジメントシステム(QMS, EMS, OHSMS, RMS, ISMS, PMS, ECMS) の統合管理を実現します。もちろんこのようなパッケージソフトは存在しないため、すべてWagbyで開発しました。最初のプロトタイプを一週間程度で開発したところ社内が驚き、プロジェクトが正式に発足したという経緯は、参加者の多くがうなずいていました。

システム化以前は、当然ながら紙の書類でした。一度、過去の書類(フォルダ)を探す必要があり、数千部のフォルダから目当ての資料を探し出すのに段ボールをひっくり返し、丸一日費やした経験もあったということです。もちろんシステム化によって検索性は大幅に向上しました。ここはWagbyが提供する「添付ファイルの全文検索機能」が効果を発揮します。しかし、システム化のメリットはこれだけではありませんでした。

見える化、は管理強化が目的ではない

Wagbyで開発したことで、現場はブラウザで簡単に「チーム全体の進捗」を把握できるようになりました。これは逆にいえば、誰が(文書化作業に)遅れているか、も全員が把握できるため、担当者は「普段からこまめに文書化を行う」という意識に変わりました。その結果、お客様の問合せにも迅速に回答できるようになり、無用なトラブル対応が大きく減るという、はっきりした業務改善につながったというのです。(当日の発表では具体的なケースが多く紹介されましたが、ここでは概要だけお伝えします。)

つまり、システム化の意図は管理強化ではなく、ミスやクレームを防ぐための共通基盤をつくることにありました。ミスがあれば他の社員にも迷惑がかかります。適切な品質管理の実現は「お客様のため」になります。文書管理というと現場は面倒という感覚があるでしょうが、結果的にはホワイトカラーの生産性向上、顧客満足度の向上に寄与するということです。これは当たり前のように聞こえますが、実際にチーム全体の意識改革を行うためには現場の合意形成が不可欠です。ここを手を抜かずにしっかりやったというのが、成功の要因であると感じました。

Wagby 最大のメリットとは

ずばり「開発スピード」ということでした。システム化が始まった当初、さまざまなユーザーから改善要望が上がりました。ここが肝心と直感し、現場に対して「改善要求を三日以内で実現します。」と宣言したそうです。

Excel マクロやVBAを使った、作り込み主体のエンドユーザー開発では、三日でさまざまな要望を吸収するのは厳しいでしょう。しかも作り込むほどに複雑化するため、開発時間は遅くなっていきます。これを担保できるのが Wagby の能力だと実感しました。

そこまでスピーディに改善されるなら、システムを使おうという気になり、利用者のファンが増える。これがスピード開発のメリットです。

また、開発システムにバグがなく、トラブル皆無で安定稼働することは利用者にとっては当たり前のように感じますが、これは本当にすごいことだと力説されていました。自分自身の(定義上の)バグがない、という安心感があるからこそ、プロジェクトを進めることができた、という嬉しいお言葉をいただきました。

今後の将来構想などは、私も含め多くの参加者が「こういうアイデアは自社でも使えそうだ」と盛り上がりました。貴重なご発表をいただき、本当にありがとうございました。