現行システムをWagbyに移行するためのストーリー

私の主な業務の一つは、Wagby販売代理店と営業同行し、お客様のご要望を伺うことです。一通りWagbyの説明が終わり、お客様でも内製できるかもしれないという感触を得た後、次のようなご指摘を頂くことが少なくありません。

現行システムが複雑すぎて、何から手をつけていいかわからない。

私がお客様の立場でも同じ感想を抱くに違いありません。このツールならできそう、という期待と、本当に自分たちでできるのか、という疑問は表裏一体です。もちろんツールの問題とは別に、現行システムの解体と再構築というのがいかに難事業であるかは、想像に難くありません。

そこで私が推奨するのは、はじめに現行システムの棚卸しを行うことです。この作業を通して、次期システム開発を自分たち主導で行うという意識も芽生えます。具体的には、次のような項目を洗い出します。

棚卸に必要な項目

  • 業務名
  • 目的
  • 開発日
  • 開発者
  • 開発言語
  • 稼動OS
  • 更新メモ
  • 現在のオーナー
  • 主な利用部門

もちろん、他に必要な項目があれば加えていただいて構いません。例えば「初期開発費」や「年間保守費」、「利用者数」といった項目も考えられます。

しかし最初は欲張らないことを勧めます。最低限で良いので全体を俯瞰できる情報の収集を目指します。全体像が見えたところで、二回目の調査として項目を増やすと良いでしょう。アジャイル的な発想で、短期間で成果を体感できるようにすることがモチベーションアップにつながります。

この整理に Wagby を使ってみよう

よくある進め方は、上のデータ整理に Excel を使うことでしょう。しかし全社的な取り組みとする場合、Webアプリケーションとして用意することが良いです。Webブラウザからデータの登録や更新、検索が行えた方が利便性が高いことに加え、次のアプリケーションはWeb化されることを全社に知ってもらう機会にもつながります。

ということで、この情報収集を行う Wagby のアプリケーションを用意してみました。単純な台帳管理ですので、すぐに構築できます。実際、下の画面キャプチャにあるアプリケーションは私が10分ちょっとで開発したものです。この程度であれば文字通り、超高速開発を実感できます。Webフォームからの操作に加え、CSV・Excelによるダウンロードとアップロード更新を備えています。

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設計情報もシンプルです。Wagbyのチュートリアルをこなせた方であれば、簡単に理解できる内容です。項目の追加も難しくありません。

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ダウンロードとビルド

wagby.comのダウンロードページから、トライアルキットを入手してWagbyをインストールします。
次に、このアプリケーションの設計情報をここからダウンロードしてください。

「現行システム移行プロジェクト - アプリケーション調査のためのシステム」(設計情報)

ダウンロードした設計情報を読み込みます。次のページを参考にしてください。

サポート > リポジトリ > Designerの機能・その他のツール > リポジトリのバックアップとリストア

ビルドしたアプリケーションを起動すると、PCからログオンして操作することができます。

難事業を一挙に解決しようとしない方がいい

数十から百を超えるであろう既存システムのボリュームが見える化されることで、その解体と再構築が改めて難事業であることがわかるはずです。しかし全体のボリュームが把握できれば、何から手をつけるかという話を行うことができます。つまり次のステップは、工程表(ロードマップ)の作成です。工程は長期間に及ぶでしょうが、そこには先人のノウハウを若手に移すことや、新しいシステムの開発に合わせて古いシステムを捨てるといった、様々な目的も同時に含まれることも意識します。単に稼動OSを最新のものに変えて動かせれば良い、といった話に矮小化しないことが重要です。システムの話ではなく、次のエンタープライズを支える人材を育成するという視点で臨みます。

避けるべきは、この難事業を一挙に解決できないかと考えてしまうことです。例えば既存ソースコードを解析して、新しいソースコードに変換するといった技術を過信してはいけません。機械的に変換されたソースコードは人間が保守できるものではなく、その次の世代に本質的な課題を先送りするだけです。(さらに変換されたソースしかない、となると、難易度はさらに高くなります。)

既存システムの「解体と再構築」というテーマは、利用頻度の低いシステムを捨てることや、時代に合わせてデータ構造の見直しを行うことを含みつつ、本質的には人材育成事業になります。これまでのシステム構築は、何年かに一度、一気に構築しては、しばらく使い続けるというサイクルでした。今後はこれを改め、使いながら(ビジネス環境の変化に応じて)変更可能という枠組みにします。この対応は、企業の神経系を作り直し、さらなる発展を目指す上で不可欠のテーマですので、手を抜くことができないものです。


私たちは、この「既存システムの解体と再構築」という難事業を実現できるツールとして、よりいっそう Wagby の機能・品質を高め、ビジネスに貢献したいと願っています。具体的なお話は、来週開催される Wagby Developer Day 2015 の基調講演でお伝えします。よろしければどうぞご参加ください。

Wagby Developer Day 2015 (12月2日 東京開催)

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