超高速開発コミュニティ初企画「沖縄合宿」無事に終了しました

超高速開発コミュニティ初の企画「沖縄合宿」が無事に終了しました。参加した15名の皆さんはユーザ企業、SIer、コンサルタント、ツールベンダーと幅広く、それぞれの立場でワークショップで議論を重ねることができ、とても有意義な場となりました。ありがとうございました。

参加者からは「このような(同業だが立場の異なる人々が集まって議論する)場は、めったにない」ということで好評でした。また沖縄は前日まで雨模様で心配しましたが、合宿当日は快晴で、参加者には沖縄ファンになっていただけたようで安堵しました。

今回の合宿は、結論は求めないワークショップ形式で進めました。テーマごとに(くじで)シャッフルした4人編成のチームを作成し、1テーマ60分、チーム内で議論しました。模造紙にさまざまな意見を付箋紙ではりつけ、そこで特に重要と思われる内容を1チーム10分で発表します。これを3回行います。

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混成チームであるため、どちらかの立場に偏ることなく、問題点の洗い出しと課題解決のアイデアが出せたと思います。愚痴を出し合うのではなく、今できることは何か、という具体的な解決索を探すようにしましたので、各チームの発表成果がそれぞれ、自社に持ち帰るアイデアにつながったようです。イノベーションのネタを探すためには多様性が大切だと、改めて感じました。

合宿の成果となる「方法論」は?

今回の合宿は、ウォーターフォールやアジャイルに代わる方法論をみつける、ということではありません。既存の方法論をベースとしつつ、超高速開発ツールの利用を前提とした場合に、どこをどう変えるとよいのか(効果があるのか)という視点で議論を進めました。特に、作り手側とお客様との合意形成のプロセスが議論の中心となったように感じました。

ポイントとなったのは、

  • 要件定義フェーズの段階で超高速開発ツールを使って効果を出すためには、どのような工夫が必要か。
  • 初期段階での見積もりは難しいが、どうやって納得感のある精度の見積もりを出せるか。
  • 超高速で開発して工数が減るのはよいが、人月制度では売り上げも減ってしまう。このジレンマを超える策はあるのか。
  • ユーザが超高速開発に期待することと、ベンダーが超高速開発で提供したいことのギャップは何か。それは埋まるのか。

といったところです。今回、参加者は普段から問題意識をもって接しているためか、最初からヒートアップして議論を進めることができました。私もたくさんのヒントを得ましたので、これからWagbyに取り込んでいきます。

個人的な成果 - 見積もり手法について

私自身の成果として、(これまで自分なりに考えていた)人月方式ではない見積もり方式について、さらに改善点をみつけたことです。具体的には、発注側に「(ある)計算式」を明示し、この計算式にパラメータを入れることで金額を算出します。このパラメータは人月単価や工数ではありません。もっと具体的に「計測できるもの」です。しかし FP は、いけません。FP は精度を上げようとすると算出根拠の洗い出しに時間がかかる上、その後の仕様変更への追従も難しいと考えています。新人の営業担当者であっても利用でき、かつ、お客様も納得できる単純かつ強力な計算式を求めています。

今月から始まる「Wagby全国ツアー」で、このアイデアを直接、参加者に紹介していきます。これによってWagbyとは開発ツールではなく、人月方式に代わるビジネスモデルを含めたパッケージとしてアピールできるようになります。参加予定の皆さん、乞うご期待ください。