ジャスミンソフトは17年目に入りました

ジャスミンソフトは2001年3月14日の創業ですので、本日で17年目に入ります。

この 16 年 x 12 ヶ月 = 192 回の給与支払いを無事にこなしました。サラリーマン時代には、給与は振り込まれて当たり前でした。立場が変われば見方が変わるもので、規模の大小こそあれ、給与を遅滞なく支払っている企業はすべて尊敬に値する、と考えています。

外部への支払い遅れでご迷惑をおかけしたこともありません。これは総務の矜持にかけて気をつけてきたことです。一方、わずかな入金漏れはありましたが、全体からみれば無視できるほどの損金でした。訴訟問題なども抱えませんでした。ここまで大過なくやってこれた、という平凡さがどれほど貴重なことか。これは年数が積み重なるごとに実感しています。

そして私がこれまでやってきたことを文章化するとこうなります。良いと直感した話は迅速にまとめ、そうでないものは引き伸ばし、常にキャッシュフローと対話し、無理な投資を避け、社員に過度の負担を集中させず、お客様が欲することを理解し、それを実現できる技術を探し続け、当社だけですべて解決しようとせず、当社に関わっていただける方々をできるだけ巻き込むようにし、その方々の成功があってはじめて当社は継続できるということを意識する。ちなみにこの経営方針は創業時に思い描いていた成功イメージ(今となってはお恥ずかしい、妄想そのもの)と、だいぶ異なっています。地に足がつく、といえばいいのかもしれませんが、この一文を書くために私には16年という経験が必要でした。それは成長したということか、という問いはなかなか微妙で、感覚としては創業時には真四角だった石が、ひたすら坂を転げ落ち、そのうちに角がとれてだんだんと丸くなっていったようなものか、と回想するところです。それでも今はその丸さが、あるべき姿だったように思えるから不思議です。

さて16年目の昨年は、いろいろな節目がありました。ガートナーから Cool Vendor としてご指名をいただいたのは青天の霹靂でしたが、これが信用力向上の一助となり、日本紙パルプ商事という大株主と巡り合うことになりました。こつこつと信用を積み重ねるというのは、当事者からすると地味な日常です。それがある一定水準に達すると、まるでご褒美のように、意外な話をいただくことがある、ということを実感しました。その正のフィードバックは、いわゆる「ツキを呼ぶ」というようなことなのでしょう。これをいかに持続させ、発展させていくか、というのが私の最大の関心ごとになっています。

そして17年目です。今年は次の3つを目標として掲げています。

(1) 海外展開
(2) Wagby エコシステムの実現
(3) Wagby R8 の開発

まず (1) ですが、現在、マニュアルを含む製品の英語版を開発中で、5月のリリースを目指しています。現地の日本法人向けではなく、現地の SIer が現地の開発案件で Wagby を使ってもらうことが目標です。今年で初案件の受注ならびに成功事例を出せるよう、さまざまな仕掛けをしていきます。

次に (2) は、いくつかの施策を含みます。狭義には、当社の営業的役割をますます縮小し、その機能を代理店に引き取っていただくようにします。当社は開発とサポートに特化し、Wagbyというブランドを代理店が前面に掲げて自社固有のビジネスができるようにする、というストーリーです。広義には、Wagbyと連携できる他社製品・サービスの幅を広げ、関係者双方のビジネスチャンスを広げるようにしていきます。昨年、コクヨ様、Pivotal様とつながるきっかけをいただきましたが、その実績をつくるとともに、より多くの会社と提携できるように働きかけていきます。

そして (3) が当社にとって最大の仕事です。11月28日に発表する、という締め切り駆動で進めています。既存のお客様が安心され、新規のお客様が喜んでいただけるような R8 にしたいという気持ちです。

創業記念日の今日も、当社はたんたんと日々の業務をこなし、R8の開発を進めます。派手さはありませんが、心身ともに充実して業務ができることを感謝し、17年目を迎えます。