Wagby Developer Day 2017 ユーザー事例発表まとめ

Wagby Developer Day は Wagby の開発者が集う「お祭り」として、2012年から始まりました。初回は沖縄で行いましたが、その翌年から東京(秋葉原)で毎年、開催しており、6回目となる今年は会場を東京(御茶ノ水)に変えての開催となりました。参加者は毎年増え続けており、今年は事前登録者363名、当日の来場者 327 名(出席率90%)となりました。このイベントは毎回、出席率が高いことも特徴です。

前回のブログ
http://yoshinorinie.hatenablog.com/entry/2017/11/30/131158
で、先に全体の感想を書きました。今回はユーザー事例発表の感想を書きます。(私はすべてのセッションを少しずつ移動しながら聴講していました。)

プログラムはこちらです。発表資料もダウンロードできます。
http://wagby.com/event/wdd2017/form.jsp

プラスエンジニアリング様

http://www.pluseng.co.jp/

高精度のノズルやカッターに特化した製造業で、仙台に工場があります。 Wagbyで刷新した基幹系(販売管理・生産管理システム)の事例が、経産省「攻めのIT経営中小企業百選」に選ばれました。これは毎年ではなく3年ごとの選出ですので、名誉あることと大変喜んでいます。パッケージソフトでは拡張性が乏しく、かといってスクラッチ開発では工数が膨らむという状況では、超高速開発ツールがぴったりはまるという好例です。システム導入効果を高めるような設計とあわせて耐障害性などの非機能要件も加味し、ウォーターフォール型開発にアジャイル型を組み込んだ、Wagbyパートナー(パルシス)の力量が光る発表でした。

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森田鉄工所様

http://morita-tekkousyo.co.jp/

水道のバルブ製造に特化した製造業で、全国に展開されています。Excel や Access で社内業務を実施しようとして行き詰まったところ偶然に Wagby を知り、システム担当者ではない二人の女性社員が奮闘するというストーリーを聞かせていただきました。Wagbyは "全くプログラミングがわからなくても、構築が可能” というところが他のツールと明らかに異なることがわかります。このような形で社外で発表する機会はない、ということで当日は大変緊張していらっしゃったのですが、Wagbyパートナー(ソフトウェア・パートナー)の巧みな司会で、盛り上げていただけました。

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東京ガスケミカル様

http://www.tgc.jp/

Excelベースの顧客管理システムをWagbyを使ってシステム化した事例です。このテーマであれば、クラウド上で稼働する CRM があるのに、なぜ Wagby で?と訝しむ方も多いでしょう。その理由は “他システム連携を含めた柔軟性”、”内製化の実現” でした。内製によるコスト削減も念頭にありますが、結果的に、内製化を通して利用部門である営業企画の方々とのコミュニケーションが密になることで双方の距離が縮まり、満足度が高まるというのは良いストーリーだと思いました。会社の規模からすれば Wagby の導入は小さな一歩ですが、その可能性に気づかれたことで、今後の横展開につながると期待できます。Wagbyパートナー(NCD)のフォローがしっかりしているのが好印象でした。

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アイセイ薬局様

https://www.aisei.co.jp/

全国に 342 店舗を展開する、国内大手の薬局です。(2017年12月現在)分散配置された店舗・施設を統合する売上管理システムや人事評価、社内情報集約に Wagby が一役買っています。この開発プロセスは Wagby の理想形となっており、ユーザーの業務担当者と Wagby に精通したエンジニアがタッグを組むことで少人数での短期開発を可能にしています。ユーザーによる、Wagbyパートナー(インフロント)への絶大な信頼を感じる内容でした。

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京北様

http://www.keihoku-s.co.jp

出版物の保管・出荷業務・改装業務など、出版物流業務を行っています。ご発表いただいた方は COBOL 系 SE としての経験が豊富で、Wagby 初チャレンジで見事、内製開発を成功されています。とはいえ、この発表内容がすさまじく、動かなくなった既存システムに業を煮やして内製に着手するも、最初の担当者による開発がうまくいかず、背水の陣で作り直したところ見事に復活、というTVドラマのような展開でした。なぜ最初はうまくいかなかったのか、というところも含めてお話をいただき、とても参考になりました。"なにがなんでもやりとげる!” という気持ちは本当に大切です。

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TMJ様

http://www.tmj.jp/

コールセンター事業者大手で、10000人を超えるセンタースタッフを抱え、国内外に拠点をお持ちです。今年、セコムグループに加わりました。同社は2012年の日経コンピュータによる超高速開発の特集記事で紹介されたあと、Wagbyを使い続けて5年になりました。受託業務としての利用(外部向け)と、社内システムとしての利用(内部向け)の両方で活発に使われており、今では何かのテーマがあると Wagby を使って短期開発というのが定着されています。"社員育成が速い、立ち上げスピードが速い、イメージ検討が速い” と実感できるほどになり、開発の敷居の低さから "(Wagbyは)内製開発に適したツールである” と結論づけています。そしてこの速さを手に入れるため、Wagbyパートナー(ソフトウェア・パートナー)との連携の重要性をお伝えいただきました。

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CIJネクスト様

http://www.cij-next.co.jp/

同社は全国に拠点をもつ SIer で Wagby パートナーでもあるのですが、今回は社内アプリケーションの内製事例をお話いただきました。とはいえ最初から Wagby ありきではなく、さまざまな可能性を考慮した上での選択であったと説明されており、参考になります。ポイントは "データの抜き出しが容易なこと”、”工数が少なく品質が高いこと”、"導入および運用費を削減できること” でした。ワークフローの設計とシングルサインオン連携は興味深く、多くの聴講者がメモをとっているのが印象的でした。

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まとめ

ユーザー事例の面白さは、いいことばかりを言わないことと、結果的に何を得られたのか、という重みのある言葉を直接、伺えることです。どの会社でも使えるといった万能の定型パターンは一つもありません。ツールである Wagby を自社流にアレンジする、その方法が多様であるほど、可能性を感じることができます。業務アプリケーション開発は派手さはありませんが企業にとって欠かすことのできないもので、その運用が企業の基礎体力の明暗を分けます。その中でWagbyを選んでよかったと心からおっしゃっていただけることは本当に嬉しいことで、スタッフ一同、身が引き締まりました。

ご発表いただいたユーザー企業の皆様、本当にありがとうございました。引き続きご活用のほど、どうぞよろしくお願いします。