ジャスミンソフト2017年の振り返り

年末年始を迎え、2017年の振り返りを行なってみます。業界全体では AI、IoT、RPA というキーワードで大いに盛り上がった一年でしたが、その中で私たち自身も地道ですが着実に転機となった年でした。

新しい株主体制での経営が始まる

日本紙パルプ商事という非 IT 系かつ老舗企業のグループとして始動しました。長年、お世話になった日本橋のレンタルオフィスを出て、勝どきにある同社の持ちビル内のフロアに引っ越しました。余談ですが、このビルは車椅子の方が働きやすいように設計されているようで、エレベータで車椅子の方と一緒になったときも移動にまったく違和感がありません。

大企業のグループの一員になったと実感することはいくつもありました。社内食堂の掲示板に、Wagby Developer Day のポスターが掲示されたときは、なにかこそばゆい感じがしました。グループ報にも大きく紹介をいただき、読まれた社員の方は "不思議な会社が加わったものだ” と思われたことでしょう。上場企業なのですが、懐かしい昭和的な匂いが残っているところがあります。つまり昭和と平成という時間軸全体をカバーする懐の深さと、一方で海外展開や、時代の最先端に挑戦する気概を持つという二つの面をうまく両立させている企業文化、というのが私が受けた印象です。

さて安定性と成長性という視点でみたとき、私たちは明らかに成長性の分野で貢献すべき立ち位置にあります。Wagby の普及と発展を通して、私たちの活動がさまざまな面で同社の成長性に寄与できるよう、大いに暴れてみたいと思います。

パートナー制度の変更と、サポート一次窓口の移管

どの企業でも製造と販売の二面性をもっているわけですが、私たちは製造に特化する道を選びました。つまりジャスミンソフトは会社組織といいながら、もはや単独では存在できません。販売を担っていただく企業と一体となって活動するため、異なる会社であっても、しっかり連携していくことが重要です。その一環として、プレミアムパートナー制度を導入しました。いわゆる「一次販社」です。プレミアムパートナーを中心に販売とサポートを行っていくことで、Wagbyをパートナー全体の「共有財産」として取り扱っていただけるようにしよう、としています。

面白いのは、プレミアムパートナー三社それぞれが、異なる方法で Wagby を活用した販売戦略を描いていることです。つまり私たちは販売戦略の立案そのものをコントールするつもりがなく、むしろ各社が自由に活動できることが重要だと考えています。日本の中堅 SIer の多くは、大手 SIer とのつながりの中で仕事の受注を図ってきたため、独自の戦略を描けないと思われる方もいるかも知れません。しかしWagbyのパートナーからは、そのような雰囲気を感じることはありません。まったく逆で、自分たちはこのツールをこう料理してみせる、というアイデアが湧き出ています。パートナー間の競争はありますが、値引き合戦ではなく、アイデア勝負の競争なので、パートナー全体として活性化する方向にあります。

その結果、Wagbyに関わっている人材という観点では、ゆうに100名を超える巨大なチームとなりました。組織同士の緩い連携で、全体として成長していく、というのは私にとって理想形なので、さらに追求していきたいと考えています。

海外進出

プレミアムパートナーのアライズイノベーション株式会社を通して、台湾SYSCOMグループでのWagby取り扱いが決まりました。契約締結は大変喜ばしいことですが、ここからがスタートです。年明けから実質的な活動として、台湾での Wagby セミナーを開始しようとしています。初回は重要なので、私を含めたスタッフ何名かも参加して、軌道に乗せるようにします。

WagbyR8の発表

4年ぶりのメジャーバージョンアップとなる R8 を発表しました。大規模基幹系での普及を目指すという方針について、たくさんのご賛同をいただけました。これは裏を返せば、この分野でまだまだ多くの方がご苦労されていることの証左でもあります。基幹系アプリケーションの開発自動化が重要なテーマとして認識されつつあるので、当社もこの波に乗っていきます。

個人的には、このタイミングでマスコットキャラクター Wagbee のデビューができたのは良かったです。

採用の遅れ(と、その対策)

一方、今年の目標に掲げながら達成できなかったのが、開発スタッフの増強です。当初は JavaScript エンジニアに絞って採用を進めようとしましたが、この路線だとほとんど応募がないことがわかりました。今後は少し方向を変えて、サーバサイド (Java + Springframework) エンジニアの方にもアピールできるようにしていきます。業務時間中に Spring のソースコードを読むのが普通、という環境に違和感ない方、ご応募をお待ちしています!


2017年も大変、お世話になりました。無事に年を越せるのも関係者のご支援のおかげです。2018年は Wagby R8 の出荷でスタートしていきます。引き続き、どうぞよろしくお願いします。