さった4月17日と24日に、それぞれ東京と大阪で第四回Wagbyユーザー会が催されました。
東京 - 株式会社TMJ様「コールセンター業務での Wagby 活用事例」
同社の生い立ちは進研ゼミの電話受付業務です。近年はコールセンターだけでなくバックオフィス関連ビジネスも拡大しており、全国に拠点をお持ちです。同社は現在、Wagbyを使って、同社の先にある契約先(同社からみて、お客様にあたる)向けの「電話受付業務」を開発しています。
コールセンター・バックオフィス系業務では、契約先のお客様毎に管理するデータも、仕組みも、それぞれ異なります。それを包括的に扱えるパッケージソフトは存在しないため、案件毎にシステムを開発することになります。しかしこれらのシステム開発は短納期であり、かつ、契約が終了すると使わないという性質があるため、開発投資コストをできるだけ抑えつつ、素早く開発するという仕組みが求められていました。
Wagbyによる開発を行うにあたって、最初のシステムは代理店であるソフトウェア・パートナー様に開発を委託しています。システムはWagby定義ファイルから自動生成されるため、その「書き方」を学んで二本目は自社主導で開発されています。まだ始まったばかりではありますが、すでに従来のスクラッチ開発に比べて約40〜50%の工数削減を実感しているとのことです。
お客様毎のアプリケーションを開発できるため、トークスクリプト(お客様との対話の流れ)を意識した画面設計を実現できます。それが通話時間短縮や(入力チェック機能による)入力漏れの防止につながっています。検索処理も迅速化され、管理者のチェック工数も大きく減少、ひいては顧客満足度の向上につながっているという高い評価をいただきました。
今後はCTI連携強化(PBX,Dialer活用)、バーコード読み取り、BPMSとの連携、基幹系の補完(参照系、マスタメンテ)、スマートフォン利用など活用計画が広がっているとのことです。
大阪 - 株式会社横河ブリッジ様 Wagby 活用事例
同社は橋梁専業で日本一の実績を誇ります。日本全国の発注量30万トンのうち、6万トンを取り扱っていらっしゃいます。同社でのWagby活用は、基幹系を補完する形で「発注管理、入場者管理、工事別書類管理、現場作業員管理」と多岐に渡ります。発表では、関東にあるWebサーバに大阪からアクセスし、一切のストレスなく業務が行えるデモをご披露いただきました。特に書類管理では、いわゆるパッケージソフトにみられるキャビネット管理とはまったく異なる、業務視点による文書管理体系を実現しており、まさに同社のための一品もの、というシステムでした。これを一人の開発者ですべて作り上げている、ということです。
ところで、新システムというものは往々にして導入当初はユーザーもおそるおそる操作し、不慣れなまま誰も使わなくなってしまうということがありえます。同社はそのような負のサイクルに対して、徹底した「迅速な対応」で乗り切っていました。ユーザーからの改善要望を即対応(定義ファイルを修正し、再ビルド、速攻リリース)することで社内の評価が高まり、今では「なくてはならない」ものとして運用されているそうです。実は同社では過去に、いくつかの著名な製品を購入したものの使われなくなってしまったケースがありました。Wagbyがそうならなかったのは、開発担当者の強い思いによる、迅速な開発サイクルが支えたのだろうと感じました。
そして工場見学会
今回のユーザー会は、初の試みとして横河ブリッジ様工場見学会を実施しました。あいにくの小雨でしたが、傘をさして敷地内を見学させていただきました。参加した方は異業種交流会のような雰囲気で会話も弾み、多くの刺激になったようです。工場内は撮影禁止ですので詳細は割愛しますが、日本のものづくりのレベルの高さを肌で実感でき、IT業界もまだまだ品質改善に取り組めるところはあるという意見も飛び出しました。最後に参加者全員で撮った記念写真を掲載させていただきます。
ユーザー会のますますの発展に向けて
Wagbyユーザー会に参加する方は、自身が開発者でもあり、かつ、システムの利用者でもあります。実は、そういう人はこの業界でとても少ないのです。両方の視点をもっている人が、双方の立場を理解しつつも、よりよいシステム開発の在り方を模索しています。しかもこのユーザー会は異業種から集まっているため、化学反応が起こりやすい場でもあります。このような「刺激の場」から生じた新しい「つながり」を大事にすることができれば、とても面白い会に発展できるだろうと信じています。
参加およびご発表をいただいた皆様、ありがとうございました。また次回も、よろしくお願いします。