「SIerの余命は5年、オオカミは本当にやって来る」についての個人的見解

今年の1月から開始した「Wagby無制限開発キット0円」キャンペーンは、昨日をもって終了しました。盛り上げていただいた販売代理店様のおかげで、多くのお客様にご利用いただけました。ありがとうございました。期待先行でご購入いただけたところもあったと思いますが、その期待を裏切らないよう、一生懸命にサポートさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

SIer余命説の背景を考える

さて本題です。昨日公開されたITproの記事が面白かったので、私も便乗します。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/032700228/

著者の木村さんの指摘をざっくりとまとめると、その根拠は二つです。

  • クラウドの普及は、従来のピラミッド構造型 SI を破壊する。
  • 基幹系システムの保守コストは無駄金であり、より売上に直結する「ビジネスのデジタル化」にお金が使われるが、ここは従来の SIer がカバーできない領域である。

この対応として "言われたものをなんでもつくります的なビジネスモデル" を脱却し、自ら社会を変革するような IT を活用したモデルを提案することが求められている(と、筆者は指摘していらっしゃる)というのが私の理解です。

ユーザー企業はどうなっているか

たまたまですが、別の視点から現在のユーザー企業の状況を説明したブログを知りました。

「JUAS『ソフトウェアメトリックス調査2014』を読み解く - タイム・コンサルタントの日誌から」
http://brevis.exblog.jp/22912701/

非常によい考察で参考になりました。ここでさりげなく紹介されていますが

現在でも業務系システムはその多くが、JavaでWebベースで、かつスクラッチから書かれている。

という部分に注目しました。ユーザー企業が望むから、SIer はそのように(多重下請け構造を使って、スクラッチ開発に対応できるように)振舞ってきました。よってユーザー企業が変われば、SIer も変わります。そして前述の記事では、ユーザー企業は変わる時期にある、と指摘しています。

2020年まで、あと5年。ユーザー企業は、どこまで変わるのでしょうか。

鍵は「自分たちで関われる」領域が広がること

クラウドによって、ユーザー企業は「自分たちで関わることができる」領域が拡張しました。クラウドという言葉は、自動化や内製化というキーワードと少なからず、つながっている印象があります。

これを強化するのが「超高速開発」の思想だ、というのが私の持論です。つまりユーザー企業は「基幹系システムの保守コストは無駄金」という問題を解決したいのであり、超高速開発は有望な選択肢の一つです。

基幹系がなくなることはありませんが、大きな構造改革を迫られています。この5年の間に、超高速開発をはじめとする、さまざまな技術革新が生じて、結果として SIer のあり方が「良いように」変わるなら、エンタープライズアプリケーション開発業界はもっと面白くなるでしょう。私も全力で、この波にのりたい、いや波をおこす方のプレイヤーになりたいと思います。