"沖縄の人はいい人ですね。" は、褒め言葉ではない

就業支援のインターンを受け入れた会社から、「(沖縄の学生は)人間性は良い。」と評価されたいという話を聞きました。

人間性は重要な資質です。人間性はコミュニケーションのもっとも根本的な土台となる「相互信頼」を形成します。人間性の部分で信頼がおけないと、その上のビジネスの話が揺らぎます。採用においては、はずせない部分です。

しかし、それだけでは足りません。

本来は「沖縄の人は優秀ですね。」と言われなければなりません。優秀とは "人間性 + アルファ" です。それは技術力であったり、過去の実績であったりします。

その " + アルファ" を培うのに必要なのは「向上心」です。つまり、件の会社は暗に「(沖縄の学生は)向上心がない。」と評価したわけです。

つまり、人間性は重要ですが、それだけでは会社にとっての人材にならないのです。"いい人" という評価と、有能な人材は異なります。もちろん有能であっても人間性に欠けてもいけません。真の人材は人間性と向上心を併せ持つのです。

ここで、真の人材を目指すために、お薦めの方法を紹介します。

それは積極的に社外のコミュニティ・勉強会に参加することです。そこに集う人は皆、向上心があります。さらに、その輪に入って持論を展開する過程を通して、人間性も磨かれます。私はかつて Java Kueche という沖縄のプログラマコミュニティの会長を勤めていましたが、そこに集う人たちとの会話は大いに刺激になりました。沖縄にも、そういう場がいくつもあります。是非、利用してもらいたいと思います。

少し宣伝です。きたる 4 月 15 日(金)に「Agile Japan 2011」というイベントが全国で開催されます。沖縄でも Java Kueche が取りまとめ役となってサテライトとしてパネルや LT を企画しています。
http://www.java-kuche.org/modules/eguide/event.php?eid=19

多くの方に LT に登壇していただきたいと思います。社外での発表経験は大きな刺激になります。また発表はせずとも、このような場に参加することで、自らの向上心に火をつけることもよいでしょう。IT 分野への就職を考えている学生にとっても、向上心をもった先輩達の活動が具体的にどういうものかを直接、見聞するチャンスです。

もちろん、このような会に参加せず、一人でコツコツと勉強している、という人も多いでしょう。その行為を否定するものではありませんが、それをどうやって上司にアピールしていますか?資格試験に合格するのは一つの結果ですが、常に合格し続けるのは大変です。社会人たるもの、向上心を持っているという姿勢を実際にアピールしなければ、単なる自己満足に過ぎない、ということも知っておく必要があります。勉強会への参加は社内へのアピールになります。

そういう姿勢をひけらかすのは格好悪いと勘違いしている方に、付け加えます。向上心のアピールは個人にとってのみならず、組織全体の活性化に貢献するのです。彼はこういう活動をしているという情報が、全体の意識改革になるのです。格好悪いどころか、チーム全体にプラスの影響を及ぼすメリットがあるのです。ですので私は向上心を伸ばすための社外活動を大いに支持しています。

まとめます。技術職に限らず、総務でも営業でも、向上心をもたなければ(会社にとって)真の人材とみなされない、という事実は社会人として知っておくべきことです。向上心の乏しい社員からなる会社は、他社との差別化ができないため、価格競争に巻き込まれていくでしょう。社員個々の向上心が、会社を強くします。

"沖縄の人は、皆、優秀だ。" と言われることが沖縄の自立を支えると信じています。