先日、ヒューマンセントリックス中村社長の取り計らいで、当社のWagbyと同じコンセプトの自動生成ツール「MOD99」を開発したルート42の高橋社長(id:takahashikzn)、鈴木取締役と意見交換しました。
高橋さんのブログにも当日の様子が記されています。自動生成技術に対する思いが同じであることに、私自身、大いに喜びました。お互い、市場開拓にがんばっていこうと気持ちを新たにしたところです。
私たちのコンセプト
高橋さんや私がやろうとしていることは、とても単純なコンセプトに基づいています。それは
技術力を駆使すれば、システム開発費はもっと下げられる。
ということです。
しかし現在のシステム開発はそうなっていません。次の認識は(高橋さんや私の目線からは)誤っています。
- 最新ではなく、一昔前の技術を使う方がシステム開発費は安くなる。なぜなら、この技術を知っているプログラマが多いため、人月単価が安い。
いずれもシステム開発は人海戦術ありき、という発想が前提となっています。しかし自動生成技術を組み合わせることで、この前提が変わります。事実、Wagby のユーザー様はプログラムを書かずにアプリケーションを構築します。Wagby のライセンス費用は、外注費用の何十分の一でしょう。
これは人によっては破壊的な技術と受け止めるかも知れません。しかしシステム開発を人海戦術で押し切るスタイルはすでに限界を超えており、デスマーチをはじめとする多くの社会問題を生んでいます。オフショア開発の推進は、この問題を正面から捉えず、下請け・孫請けというピラミッド構造を国外に移しているだけです。自動生成技術は高度な技術力で単純労働を解放しますので、システム開発の問題 - そもそも何で人海戦術が必要なのか - を根本から解決します。
SIer が自動生成技術を真剣に検討するのはいつか
国内の大手SIerは未だに人海戦術の呪縛に捕われたままです。高橋さんも私も、その壁の高さを知っています。しかし同時に、あるタイミングでこの壁が一気に崩壊するだろうという時代感覚をもっています。ベルリンの壁があっけなく崩れたように、人月単価だけがシステム開発費を左右するという見積手法は変わるでしょう。代わって登場するのは、自動生成技術の利用です。そして現在のシステム開発費は、少なくみても半額、自動生成との相性がよければ 1/10 にまで下げることができるでしょう。
それは市場規模の縮小を意味しません。プロジェクト単位の売上は減少しますが、代わってこれまでコスト高を理由に諦められていた案件が登場します。さらにいえば、この技術を使って海外の SI 市場を狙うことができます。自動生成技術は普遍性があり、世界中で通用するためです。
今、国内の SIer は技術者に敬遠されています。しかし業務アプリケーションの重要性はますます高まるばかりであり、ここに優秀な人材を投入することは日本の将来にとって必要不可欠です。人海戦術から、自動生成技術を活用したSIの高度化(高橋さんはブログで「スマートなSI」と表現しています。)に舵を切るときが、国内 SIer 復活の時であると確信しています。その時にメインプレイヤーとなる自動生成技術が海外製品であってはならない*1。その気持ちで製品開発を行っていきます。