ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)・Okinawa Startup Festa への期待

さった2月5日に、沖縄県のイベント「ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)」と、同時開催の「Okinawa Startup Festa」に参加してきました。

eventregist.com

詳細はこちらの記事が詳しいです。

thebridge.jp

地元新聞は会員登録後に読める記事がありました。”(2日間で)8800人の来場” となっています。

ryukyushimpo.jp

www.okinawatimes.co.jp

実は昨年、県から出展への打診をいただいていたのですが、当社は観光ではないからなぁという判断で辞退していました。しかし実際には観光と直接、からんでいなくても出展できたとのこと。私の早とちりでした…。

さて沖縄県は「国際見本市」を掲げているだけあって、将来的には台湾や香港と同じような、世界的に知名度の高い IT 系イベントに育てたいのだと思います。その最初の試みということで関係者の熱の入れようが伝わり、東京で開催されるイベントと比較しても遜色のないクオリティと感じました。国内ITイベントでは、例えば Japan IT Week 春版で、昨年実績が3日間で85,000人規模。地方のイベント、それも2月の開催で、その10分の1という集客は驚きです。

当日は私のよく知っている方、久しぶりにお会いできた方、といろいろお話ができてよかったです。関係者のみなさまの努力に敬意を表します。

これからの期待を込めたアイデア

私は、この見本市を “地元の民間企業、官公庁へ自社製品やサービスをアピールする営業の場” としては捉えませんでした。そのような主旨であれば過去にも同様の IT 系イベントがありましたし、民間企業のビジネスとして独自の展示会を企画してもよいでしょう。

そうではなく、”国際見本市” ですので、広く県内外へ向けて何かを発信するコンテンツが集まる場になるのだと解釈しました。

もちろん一つの切り口は最新技術の見本市ですが、これだともっと大きな展示会が世界中にありますので、すぐにそういう位置付けとして認知されるのは難しいでしょう。

ニッチだが他がやっていないこと、例えば離島が多い沖縄ですので、ITを使った利便性を高める技術を集めることで、他国の興味をひくことはできそうです。また「Okinawa Startup Festa」もあるので、スタートアップ企業によるプレゼンテーション大会もいいでしょう。沖縄科学技術大学院大学 (OIST) との連携もよいと思います。そして、これらはすでに今回、てんこ盛りでした!

しかしこれらの切り口は、やや意地悪な表現をすれば、他府県または他国でも、企画力と資金があれば容易に真似されてしまう可能性があります。もう一手間をかけて、この点は沖縄だけが先行しているという「何か」を加えることはできないでしょうか。それは回数を重ねるほど熟成し、県民にも広く認知され、応援したくなるような一体感を醸成するような仕掛けを指します。

ここからは私の案です。小学校の高学年生以上を対象に、理系の大学・高専へ進学すると決めた子供たちに就学支援金を付与するのはどうでしょう。そして卒業後、さらに県内企業に勤めるか、もしくは県内でスタートアップを立ち上げる場合は、支援金の返済をゼロにして、かつ、祝金まで贈ります。つまり IT 系に関わる若手人材を積極的に増やすことで、イベントに関わる層の厚みを確保します。

その子供たちが学生のうちから国際見本市でアルバイトをしてもいいし、なんなら研究テーマやビジネスプランの発表に携わることも支援します。おそらく5年から7年で、沖縄は IT 先進県というイメージを、実際に若い人材が豊富、という形で具現化できます。

実は沖縄の負の側面の一つに、子供の数は多いものの、教育への投資が難しい家庭も少なくないという課題があります。理系に行くなら学費を支援しますとなれば、親も積極的になる可能性があります。

子供たち、つまり数年後の若手人材がこのイベントを支え、かつ一部はプレイヤーとなっていく、という循環を確立することができれば、他ではなかなかできない、地に足のついた国際見本市になるのではないか、と考えました。一つのアイデアとして提言した次第です。