ジャスミンソフト第13期を振り返る

この9月で、ジャスミンソフトの第13期が終了しました。創業から11年半ですが、途中の決算期の変更等があったため、数字上は13期となります。

今期は営業面で重要な出来事がいくつもありました。

2011年11月 Wagbyユーザー会発足(発足当時40組織、現在62組織)
2012年3月 日経コンピュータ特集記事「超高速開発が日本を救う」にWagbyが紹介される
2012年6月 初の技術者交流会「Wagby Developer Days 2012」を沖縄で開催。40名あまりでビーチパーティを楽しむ
2012年8月 日経SYSTEMS 8 月号特集記事「システムを2週間で作る」にWagbyが紹介される

これらに引っ張られるように、主力製品「Wagby」の採用数も着実に増加しています。Wagby販売代理店を希望する同業社様からの問合せも増え、今期は全国で7社となりました。(この数字は現在、交渉中の企業様を含んでいません。年内中には10社を超える見込みです。)

一方で、リストラを含む、社内組織の変更も行いました。当社による直接販売をほぼなくし、Wagby販売代理店による間接販売体制の強化(そしてWagby販売代理店の全国拡充)へと、よりシフトさせました。自社を製品開発のみにスリム化し、販売および受託ビジネスは代理店との協業によって対応を図るという方針です。これに伴い、数名の社員が当社を去りました。これまで苦楽を共にしてきた社員が去るという経験は、会社を運営している間は常に起こりうることですが、そのたびに自分が立てた方針の是非について悩みます。その良し悪しは、今後の社業の発展で答えを出すしかありません。覚悟をもって決めることの辛さを噛み締めながら、10年という節目を超え、さらなる成長を模索しているという状況です。

私には「日本、そして世界に通用するソフトウェア・パッケージならびにサービスを提供する企業になる」という目標があります。

受託ビジネスから、ソフトウェアパッケージで自立する会社になるという目標を掲げた以上、そこから得る喜びも、また辛さもすべて直視しようと決めたのは2004年10月に資本金を増資し、東京に事務所を開設したときです。そして2006年5月に「Wagby」を市場に投入してから、あっという間に6年半が経過しました。その間、何度もピンチに見舞われ、その都度、社員のがんばりによって乗り越えてきました。今期に立ち上げたWagbyユーザー会で、その6年半の間に培ってきたお客様との関係が実を結んだことを実感でき、本当に良かったと思っています。また、このタイミングでIT系情報誌に取り上げられ、知名度が上昇しつつあることもまた、これまでの下積みがあったからこそ、といえます。

しかし他からみれば、私たちの歩みは遅いとお叱りを頂戴するかも知れません。それでも未熟な私たちにはすべてが必要な経験であり、これらをひとつひとつクリアして、今があるのだと認めるしかありません。"法人" とはよくいったもので、その中にいる社員一人一人のスキルアップの集積が、ジャスミンソフトの "人格" になっています。一人のわずかな甘さが致命的なエラーとなります。それを全員でカバーするチームワークが会社の成長につながります。その中でも特に、私が信頼できるかどうかという指標は重要だと自覚しています。「会社は、社長の器以上に大きくならない。」と言われますが、そのプレッシャーから逃げずに、今期もさらなる成長を果たしたいという気持ちで、第14期の初日に臨んでいます。

まだまだ、Wagbyにはやるべきことが多くあります。お客様からの改善要望は引きも切りませんが、これは発展途上の製品であるという裏返しです。競合製品も増え、Webエンタープライズアプリケーションの「超高速開発」へのニーズは高まっています。この分野に Wagby あり、と言われるようになること。その気持ちで日々の開発を進めていきます。そして今期はいよいよ Wagby R7 を世に出します。本来は13期でプレビュー版を公開したかったのですが、延び延びとなってしまっているのは、よくないと反省しています。Wagby R6 の発表が2008年5月でしたので、すでに4年半が経過しています。その間、多くの新技術が登場しました。これらの技術を使って実現したいテーマは山のようにあります。私たちが目指す山頂は遠いですが、見えるところにあります。一歩ずつ、登っていくことです。

本社を沖縄に置いたまま、どこまで成長できるのか。多くの方に見守られ、励まされていることを感じます。第14期では、胸を張って成長をお伝えできるよう、引き続き社員と一緒になって、進んでいきます。どうぞよろしくお願いします。