ファンクションポイント法

私の中では、もっとも妥当な見積手法なのですが、この業界ではあまり使われていません。その理由は、上流工程の成果物程度がないと、正確な見積が行えないためだと思っています。お客様は要求分析も行う前から「概算見積」を出して欲しいということになるので、過去に類似のシステムを受けたことでもないかぎり、まったく手が出ないのが実情です。

Wagby では「1FP」の定義を「表示画面に1つの項目を追加する作業」としました。例えば「氏名」を出す項目を追加する作業を考えると、少なくとも

  1. データベースアクセス部の変更
  2. HTML (JSP) の変更
  3. 機能テスト、セキュリティテスト(SQLインジェクション+XSS

という工程が発生します。私の中では、1FP にかかる時間を 1 時間とみなしました。この単位時間は各社ばらばらです。

あとは複雑度です。更新画面では 1FP ではなく 2FP かかる、などの難易度を用意します。もちろん、これも各社ばらばらです。

ここまで用意してはじめて FP 法は使えます。システム全体にかかる画面種別と項目数、項目種別から、概算見積が出ます。これには業務ロジックは含まれていませんので、業務ロジックについては個別に見積を行います。(Wagby ではカスタマイズ開発部分に相当します。)

総 FP 値が算出されれば、1FP にかかる単価を掛け算することで見積が出ます。「ざっくりと1画面に何人日」と計算されるより、はるかに説得力がありますし、プロジェクトを何度かこなすことで、各社毎の数値(調整係数)が固まっていくことでしょう。