三連休に過去の日経コンピュータを読みすすめる

当社では日経コンピュータを購読しています。社員に回覧されるのですが、私のところで多くの雑誌がとまっていました。申し訳ない... ということでこの三連休でチェック。気になった記事をいくつかメモします。

ウォルマート IC タグ導入に最後の賭け 「要請」から「強制」へ、失敗したら撤退か

No.704 (2008.5.15) pp.88 の記事。納入業者がなかなか IC タグ張り付けを行わないため、対応しないと罰金を課すとした、というレポートです。IC タグのメリットは在庫切れのタイミング予測効果などがあり、これまでよく言われていた「盗難が多いからICタグ導入」は、実はそんなに効果がない、など。

ソフトウェアタグプロジェクト

No.707 (2008.7.1) pp.24 の記事。ソフトウェア開発を可視化するための指標を出すところがミソ。開発側の視点では、見える化によって変更量がはっきりしたとき、お客様に対して(追加工数を)請求する根拠に使おうと考えるのではないでしょうか。なぜ経済産業省ではなく、文部科学省が主導なのか、というのは謎です。

Office レガシーは宝に変わる

No.707 (2008.7.1) pp.42 の特集記事。こういう内容に Wagby が掲載されていない、というのが本当に残念。知名度がないなぁとつくづく反省します。Excel や Access でやってきた業務アプリを正攻法で Web 化する場合に Wagby は使えるのですが...。よく Wagby と比較される XCute さんが事例掲載されている点もちょっと悔しい。我々の取り組みはまだまだ足りません。

クレーム数で品質を測定

No.706 (2008.6.15) pp.22 の記事。JUAS が非機能要件の評価手法をまとめたというもの。レスポンスタイムは難しいですね。Wagby ではお客様が自由に設計できる分、レスポンスタイムの保証は困難です。Wagby を使う SIer が行うことになるでしょう。

さらばビル・ゲイツ

No.706 (2008.6.15) pp.36 の特集記事。ビジネス的な視点は「ソフトウェアパッケージのライセンスモデルの終焉」を主張する内容です。パッケージ販売とサービス化の違いは結局のところ「売り方」の話であって、ソフトウェア産業そのものの重要性が低下するわけではありません。売り方が変わるとは、月額利用料金の価格設定により(当社のような)パッケージ主体の企業の収益性が悪化することにつながります。薄利多売というのは、「多売」が成立することが前提です。その意味を考えながらビジネスモデルを再構築しよう、という理解をしています。

御社の発注、3つの大問題

No.706 (2008.6.15) pp.106 の特集記事。ユーザー企業の希望は「一括請負契約」だが、受注側の希望は「契約の細分化」。これまでもよく語られている話です。結局、一括請負契約の場合はリスク分を加味するため、見積明細は出さず、一式いくらという提示しかできない。これで赤字にするなと厳命されるプロジェクトリーダーは辛いとしかいいようがありません...。この話は先日読んだ山田 真哉さんの「食い逃げされてもバイトは雇うななんて大間違い 禁じられた数字」を彷彿とさせます。企業における計画最重視主義の弊害を感じます。

95%が工事進行基準を適用へ

No.706 (2008.6.15) pp.112 の記事。適用予定企業の 67 % は「原価比例法」であり、EVM の採用を予定しているのは 16 %。この数字はほぼ業界全体に比例するのではないかと考えます。現実には原価比例法の適用さえも難しいところが多いはずですので、このあたりから始まるのでしょう。