21世紀型の IT 産業の在り方

沖縄にとどまらず、ほとんどの地域で新産業に期待することは「大量雇用」です。

工業化社会では「工場」の成立が前提であり、そのためのインフラとして安定した水と電力、そして労働力が必要とされていました。あわせて物流インフラも重視されます。沖縄は水や電力が弱く、物流コストも高いということで工場誘致が進まなかったと考えられています。IT が注目されたのは、従来型の工場の定義に必ずしも合致しなくても良いとみなせるためです。ここで重視されるのは主に労働力であり、水、電力、物流コストのいずれも大きな阻害要因になりません。

反面、この条件は沖縄以外のどのような地方でも適合できるため、グローバル競争が加速しました。そのため、IT分野は利益率が低下します。つまり「忙しくても儲からないビジネス」になりました。

さて「大量雇用」という錦の御旗を掲げつつ、コスト競争に陥らないために必要な 21 世紀型の IT 産業とは、スーパープログラマの確保にあると考えます。わかりやすく表現すると、1人のスーパープログラマが、1000人の雇用をつくると認識することです。IT における地域資源とは、その地域に在住するスーパープログラマということになります。(厳密には、インターネットがあるため地域にも縛られない可能性がありますが)

回り道にみえるかも知れませんが、スーパープログラマの存在を前提とするようなニッチ企業を支援することが(時間はかかると思いますが)結果的には大量雇用につながるのではないかと考えています。