記事:米国で SE が「最良の職業」に輝く

日経コンピュータ(2010.5.12)の連載「SEよ大志を抱こう」を興味深く読みました。

ここでいう最良とは、成長性・待遇・やりがいといった観点の総合評価のようです。私が社会人になるときも "SE は花形" ともてはやされていましたので、少し懐かしくなります。

さて記事の主旨をまとめると、日米比較は次の点になります。

  • 米国では、(開発者などの)リソースの範囲内で、できることを積み上げる発想でプロジェクトを進める。
  • 日本では、カットオーバー日を決め、明らかになったタスクにリソースを投入する形でプロジェクトを進める。
  • 米国では、投資対効果に見合わない機能は開発しないという選択が受け入れられる。
  • 日本では、エンドユーザ部門の使い勝手と例外処理が何より重視される。

日本方式の方がコストがかかりそうだと思いますが、もちろん日米ともにコストを抑制することは最重要なテーマです。
しかし米国では「コスト内で抑える」ために「機能を削る」という発想が受け入れられますが、日本では「安価なマンパワーを投入する」ことで解決しようとする風潮が高いと感じています。それが結果的に現場に負荷を与えてしまい、"最良の職業" という意識から遠ざかっていってしまうのだというのが実感です。

ではどうすれば、日本の技術者が誇りをもって SE という職業を語れるようになるのか。

エンドユーザ部門の使い勝手を落とすことなく、しっかりした例外処理を踏まえつつも、短期・低コストで大規模な業務アプリケーションを構築する方法を見つけることです。それは無茶だといってしまえば、前へ進むことができません。知恵を使って日本流を極めるために、新しい発想を取り入れることです。

その一つの解がソースコードの自動生成です。実装コードに振り回されることなく、エネルギーの大半を仕様調整に費やすことができれば。変更要求をすぐにコードに反映させることができれば。そういった高いハードルを自ら設定し、そこに向かって試行錯誤するなかから、真のノウハウを入手できるのだと考えています。