IT 企業という呼称は、あと数年でなくなるという仮説

今の日本で "IT企業" という呼び方ほど、あやふやなものはないと思っていらっしゃる方は多いでしょう。しかしこれは過渡期の現象であり、間もなく IT 企業という呼称そのものが消滅する、というのが私の考えです。

当社はソフトウェアパッケージの開発と販売をおこなっているので IT 企業と呼ばれることに違和感はありません。しかし Amazon や楽天は IT 企業の代表格ですが、ソフトウェア開発ではなく、ネット上に展開している巨大な商店です。出版が電子出版になれば、出版社も印刷会社も IT 企業になるでしょう。テレビとネットの融合により、新聞やテレビ、ラジオといったメディアも IT 企業になります。金融・保険はすでに巨大な IT 企業であることは周知の事実です。このような情報を扱う企業だけでなく、今後は身の回りのさまざまな製品が IT とつながることでしょう。洋服や靴が IT とつながると何がおきるでしょう。食べ物が IT とつながると、健康管理と直結することもできそうです。単なる販売方式だけでない、サービスの根幹に関わる部分が IT に支えられてきます。

つまり、ソフトウェア開発を行うところを IT 企業を呼ぶといった狭い範囲でとどまらないのです。"IT を積極的に活用した実業を行っている組織" すべてが IT 企業になります。そしてそれは、全業種・全分野にわたります。政府機関、自治体も例外ではありません。そうなったとき、IT 企業という区分そのものが意味をなさなくなります。私の感覚では、あと数年... 遅くとも 2020 年には、すべてが IT 企業といえるようになるでしょう。

システム開発を主としてきた企業(これを System Integrator、略して SIer と呼ぶ)は、これまで業務効率化のための IT 導入を支援してきました。これからは既存の企業を IT 企業に変えるお手伝いをすることが求められます。一方、最初から IT を使って実業を行うベンチャー企業も多く登場しています。SIer の仕事を自社で行う、つまり内製です。さらには、SIer 自体が IT 知識を活用して自分で実業を行うという業種転換もあります。さまざまなアプローチが目指す先は、"実業とITのハイレベルな融合" です。IT 活用にはプログラムを書くことではなく、実業と IT の有効な組み合わせを考える発想力が求められます。商品企画、製造、販売(営業)それぞれで IT をどう活用していくか。それを高い次元から考えることができる人材の育成が急務です。

この変化の中において変わらないものがあります。それが経営理念というものです。自分たちは何をもって社会に貢献するか。その実現にあたって、IT を使うのが当たり前になる(さらにいえば、IT を使わなければ実現することもできない)という認識をもてるかどうかが、企業継続の鍵になります。

大切なことなので繰り返します。

非 IT と IT を区分した経営はナンセンス。両者は融合することが自然であり、結果として IT 系という区分の概念は消滅する。

今週末に沖縄で実施するセミナーでは、この点を踏まえた上で、企業において経営理念を実践する IT とは何かという具体例をお話したいと考えています。会場で、多くの方と意見交換できれば幸いです。

「2011年 IT利活用研修会:業務効率化のITから、経営理念を支えるITへ」
http://www.jasminesoft.co.jp/seminar.html

お申し込みはこちらからどうぞ。
http://www.narayun.jp/seminar/detail.php?id=639

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