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いまどきのユーザー企業が求める SIer の姿

1月は業務開発に携わる技術者にとって考えさせられるニュースが流れました。

富士通が説くSIにおける人材革新のツボ」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1201/23/news020.html

この解説として、次のコンテンツが参考になります。

富士通の3万人SE職務転換大作戦は成功するのか?」
http://d.hatena.ne.jp/gothedistance/20120122/1327208557

同じ業界にいる身として、このような記事には敏感になりますが... 先日開催されたシステムイニシアティブ研究会の例会では、"まだまだ SIer は変われる、やることはある" という力強いメッセージが発せられ、気持ちを前向きに切り替えることができました。

「変化する時代、問われる企業IT化のあり方 クラウド時代に求められる主体性と事業と一体化したIT企画の進め方」
http://system-initiative.com/wp/?p=988

講演者の桑原氏は日経コンピュータやIT Leaders をはじめ多数の記事執筆をこなされている方です。講演内容の詳細は、後日 SlideShare で公開されるということですので割愛しますが、ユーザーが主体的にシステム開発に取り組むというのはすでに大きなトレンドになってきており、これをデザインする力が求められているという主旨でした。

さて、私自身は Wagby という製品を通して SIer やユーザー企業と関わっていますので、両方の視点(言い分)を知る立場にあります。ユーザー企業が自分たちのシステムを内製するということが大きな流れになっていることは疑いようがありません。しかしユーザー企業がすぐに SIer と決別するかというと、そんなことはないと思います。システム開発費が青天井で、何十億という予算を使えていた時代は終わりつつあるのでしょう。しかしシステム開発という需要そのものがなくなることはありません。今のユーザー企業は "もっとはやく、もっと柔軟に、もっと安く" できる方法がないか、を求めています。そのような時代に対応できる SIer の姿を描き、変化することによって「新しい SIer」として飛躍することができれば、ピンチはチャンス!ということになります。

桑原氏の話を伺いながら、私流の「ユーザー企業が求める SIer 像」のアイデアを文章化してみました。

ユーザー企業が求める SIer 像(私見)

  • 最新技術を使って、これまでにない業務フローや(ユーザー企業にとっての)顧客との接点を提案できる。
  • ユーザー企業による内製化を支援する。コミュニケーションを活性化したり、イベントを企画したり、アイデアを提供するといった黒子役、アドバイザとしての役割を含む。
  • ユーザー企業の IT 部門による事業貢献、戦略立案を支援することで、IT 部門を経営に近づけていく。
  • いよいよ開発を請け負うとなったときは、すぐつくり、すぐつくりなおすことができる。

これは "上流工程ができる SE を抱える" こととは、異なります。

ユーザー企業による内製化でもっとも難儀なのが、企業内の縦割り文化の壁です。IT は縦割りを横に串刺しするものですが、そこには多くの関係者と話し合うというプロセスが必要です。そこを支援することができる、というのは、その業務に精通した SE がいる、ということと必ずしも同義ではありません。ユーザー企業が欲しているのは縦割りを一緒に乗り越えていける SE 集団ではないか。そこに "外部の力を借りたい" というニーズがあるのではないか。

まとめると人間同士のコンセンサスをとる能力、新しい切り口を交えた提案能力、そして超高速開発というスキルといったものに支えられた SIer です。そしてビジネスの原点は「ユーザー企業が主役で、SIer はそれを支える」になります。これは丸投げ文化の対極に位置します。

ところで最新技術を積極的に提案するということは、失敗する可能性も含まれます。失敗とは動かないということではなく、その技術がメインストリームになりきれずに姿を消すということです。それでも最終的な採用判断はユーザー企業であり、SIer とは "間違っていてもいいから、これは面白そうだという提案をしてほしい" というような関係性を構築できればと思います。丸投げではないとは、そういうことも含みます。

ちなみにクラウドを担ぐのが SIer のメインビジネスになるかというと、そう単純でもないだろうと思っています。いまのクラウドはアプリケーションの開発・実行基盤です。そこは劇的に変化している最中ですが、本当に重要なのはその上のアプリケーションの作り方です。インフラがクラウド化されてもアプリケーション開発部分が従来どおりというのは、ユーザー企業にとっては "まだ、物足りない" 状態です。そこに踏み込んでいけるかどうかが、SIer の覚悟の領域です。

開発の仕事がなくなるわけではありませんが、その作り方は今と同じではない。では、どう変わっていくのか。そこが誰しも考えるポイントになります。

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当社もメンバーとして参加している「MIJS」は、日本でプロダクトを開発している有力企業が連なっている団体です。多くの SIerMIJS ブランドの製品を販売していることから、IT 業界に新しいヒントを提供している母体の一つと言ってもいいでしょう。

その MIJS が 2 月 10 日に開催する事例セミナーは「顧客をつかむ、クラウド時代の創造的システム開発を一挙紹介」という名の下に、実際の採用事例をとおして、先進的なユーザー企業が何をどうしているのか、知ることができる絶好の機会です。
http://www.mijs.jp/section/event/20120210/

ここで紹介される各社製品は「SIer のビジネスをよりよい方向に変える」「エンドユーザーに喜んでいただけるビジネスを提案する」ものばかりです。参加する皆様にとって、必ず有益なヒントを持ち帰っていただけるものと期待できるセミナーですので、是非ともご来場ください。私も Wagby の最新事例をご紹介します!

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