先進国の製造業が目指す方向性

中国をはじめとする新興国が、製造業の中心になりつつある今、先進国の製造業は揺れています。
米国は製造業から金融業へとシフトする戦略をとりましたが、リーマンショック以降は製造業回帰も視野に入れているようです。しかし、人件費の高さは大きな壁であることは明白です。

IT 業界でも「オフショア開発」の登場で、国内の SIer が揺れています。先日、沖縄県内に拠点をおく開発会社の社長から、ベトナムでは人月単価が 10 万円台であり、言われたことはきちんとできると伺いました。こうなると、沖縄を国内オフショアの拠点にするという計画は成立し得ないということが良くわかります。沖縄が窓口になったとしても、実際の製造は海外に流れることでしょう。

このような状況の中、米国在住期間が多い商社系の方と話す機会がありました。米国の製造業は「品質の良いものを、安価に」提供するという視点で、中国やインドには勝てないという認識で一致しました。では、どこで勝負するのか。

彼の回答は次のようなものでした。「まず、スピード。そして感性で勝負しないといけない。」

まったく同感です。IT 業界でいえば、下流工程のスピードを 10 倍、20 倍にすることではじめてオフショア開発と勝負できることになります。しかしどんなに優秀な人間でも、このスピードを維持することは容易ではありません。つまり、自動生成を組み合わせることが必然です。Wagby はすでにその力を備えています。

もう一つの感性は、例えばアップル社のように優れたユーザーインタフェースを提供するという視点があります。
しかしエンタープライズ分野(企業向け業務アプリケーション)でいえば、「きめ細かい使い勝手」の追求になると考えられます。画面表示がきびきびと動作することに加え、ちょっとした使い勝手の良さが随所に秘められていることが大切です。今、Wagby は必死になってこの「きめ細かさ」という要求に応えようとしています。

つまり、IT 分野においては、オフショア開発と真っ向勝負するためには Wagby のようなツールの活用が是非とも必要です。オフショア開発陣営と同じツールを使っている限り、勝負になりません。SIer の経営者がこのような認識をもたず、短期的利益追求でオフショアを活用するのは、中長期的にみた場合、会社の空洞化を防ぐことができないと思っています。

年明けの4月に、私が講師となったセミナーが企画されました。

2010年4月23日(金)
ソースコードの自動生成による開発コスト削減とコスト削減事例」
http://tech-seminar.jp/node/387

ここで、当社が得た自動生成の知見をすべて披露させていただこうと思います。Wagby の話というより、自動生成技術全般の話になります。このセミナーの準備として、これから私自身のノウハウを体系化させていこうと思っています。