Wagbyと他社製品との隠れた違い - 「先義後利」を意識したビジネスモデルは成立するのか、ただいま実験中

もう二年前になりますが、Wagbyユーザー会を設立したあとに中島セイジ様とお会いする機会があり、氏の二冊の本を読みました。このときの話をブログに書いています。
http://yoshinorinie.hatenablog.com/entries/2011/02/17

そこに示された「先義後利」という理念に共感しています。そして私はこれを「(Wagby)販売代理店様が先に儲ける」ビジネスモデルにする、ことと解釈しました。

具体的には、こうです。

当社は Wagby の開発と安定化(不具合修正)に集中する。ライセンス販売以外の、さまざまなビジネス(主として受託開発、そして機器販売や、システムインテグレーション)は、すべて販売代理店様のビジネスにする。

その方針に従い、当社は案件の話が入るとすぐに代理店様を紹介します。良さそうな話も、難しそうな話も、すべてです。この経営は、短期的には売上が伸びません。社員もすぐには増やしにくいです。そして何より、販売代理店様ご自身が、それを引き受ける体制ができなければ話になりません。お互いを不可分なパートナーとして、一緒にやっていくという気持ちを共有することが大切です。

もちろん、販売代理店様それぞれに経営方針や売上目標があります。Wagby以外にも多くのビジネスをお持ちです。よってどの会社とも一律、同じ歩みをすることはできません。それでも時間をかけて、体制を構築しようと決めました。当社のサポート力が及ばず、ご迷惑をおかけしたことも一度や二度ではありません。しかしWagbyを中核としたビジネスが有効だと実感してもらわなければ、私たちが主張する、超高速開発によるシステムインテグレーションは画餅に終わります。目の前の案件一つ一つを着実に成功させていくことで、Wagbyへの信頼を地道に高めていくことが優先であり、それまでは当社の売上は横ばいでもかまわないとしました。


当社の社員へは、それが急がば回れになると話しました。ただ、短期的には売上が伸びないことも理解してほしい、と。


これに対して、多くの方から「受託もやるべき」と諭されました。(今も言われます。)実際、Wagbyの競合他社様は、大きな案件は自社で対応されていると聞きます。製品ベンダーでもあり、かつ受託も行うので、人員も売上も増えているなぁと感じると、羨ましく思うことも正直、あります。それでも、この路線を曲げないということでやってきました。



今年に入って、その成果が上がっていると実感しています。いくつかの代理店様で、大きな案件を受注できています。Wagbyへの問合せがあったときの一次窓口として、お客様も安心して話を聞いていただけています。私はそのサポートに注力しています。



いよいよ、そのヤマ場がやってきます。今週25日、六本木ラフォーレミュージアムで開催される「Wagby R7発表会」です。当日の発表では、3社の販売代理店様からご発表いただきます。また翌日に開催される Wagby Developer Day 2013 でも、4社から事例発表セッションがあります。このような形で開催できたのも、各社が実際に "Wagbyで、いける。" という成功体験があったから、といえます。ジャスミンソフト一社の単独セミナーではなく、販売代理店様と連携した発表会を行う、というのも私の目標でした。それが実現しようとしています。

発表会まであと3日。お越し頂いたお客様へは、単に Wagby を知っていただく以上に、ここで聞いた内容を自社のビジネスの材料として使える、というような有意義な会にしたいと準備しています。当日を、どうぞ楽しみにお待ちください。