経営に求められるのは勝利の方程式ではなく、原則なのだと思う

さった11月7日に東京・秋葉原で開催された Wagby Developer Day 2014 は、おかげさまで登録者 131 名、来場者 121 名、出席率 92% と盛況のうちに幕を閉じました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

f:id:ynie:20141110120242j:plain

f:id:ynie:20141110120307j:plain

(発表資料のダウンロードサービスについては、弊社事務局より、ご参加いただいた方へメールにてご案内さし上げます。)

この会は「手作り感」にこだわっています。目的はユーザー様、代理店そして私たちスタッフという三者の交流ですので、あえてイベント会社を通さず、汗をかいているスタッフの顔が見えるようにしています。また、ユーザー様同士の交流促進にも配慮しています。利用する側と、作り手の顔が見えるというのは、やはり楽しいものです。

私が大切にしている原則

さて表題の件です。会社を興した当初は経験不足のため、いわゆる経営のノウハウ集を読んだこともありましたが、正直にいうと、何も覚えていません。むしろ、セオリーから逸脱しまくっているとさえ思いますし、それでいいのかという判断もできずにいます。何しろ現在も走り続けているためです。

そうではなく経営者にとっては原則こそが大切、と考えるようになりました。経営判断は、ある原則に従って実施しないとブレが生じます。こういう場合にはこうすればいいという勝利の方程式ではなく、そのときに発生する問題を、原則に照らして解決していくというアプローチが私にとっては腑に落ちるものでした。

これも経験によって培ったものですが、私にとっての原則は「これだけは負けない、という分野を一つ持つ」ことと「先義後利 - 自社の利益の前に、代理店のビジネスを成功させる。そのためにWagbyプラスアルファを代理店に開拓してもらう」という二つです。これまでブームに便乗して興した事業や、ちょっとしたアイデアだけで差別化を図った事業では、結果的にうまくいきませんでした。同業他社で、より強い「思い」を持ったところに、どうしても及ばなかったのです。それらすべてを切り離し、最後に残ったのが、この Wagby です。Wagby だけは、会社を支えられるほどの売上がなくとも絶対に諦めない、という強い気持ちで(経費や利益率を度外視してまでも)投資を継続してきました。どんなライバルが登場しても、勝機を見つけるまでくらいつく、という意地もあります。そしてもう一つ、ビジネスは一社単独では広がらない、仲間をつくる必要がある、という信念の元に、代理店を募っています。

ここまで情熱を傾けられるのは人生においてそう何度もありません。そのような経験ができているという意味で私は幸せであり、支えていただいているお客様、代理店、スタッフ、家族そしてすべての関わった方々に恩義を感じるばかりです。

Wagby Developer Day とは、私にとって晴れ舞台ですが、それは感謝を表明する場でもあります。この一年でこれだけ製品の品質が向上したので、より一層、皆様のビジネスに貢献できるようになりました、という報告を通して、ご恩に報いたいのです。ところが、実際にはそこでまた応援のお言葉を頂戴し、スタッフ一同、やる気をいただいています。恩返しのつもりが、激励によって再びご恩をいただいている状況です。

こういうサイクルはありがたいと心から思います。そして製品の開発には、お金だけではなく、このような交流の場が欠かせないと痛感します。当社のスタッフは私ではなく、社会全体に育てていただけているのであり、その好循環が結果的に製品を強くしていきます。

この環境があるかぎり、Wagbyは、ますます面白い製品に仕上がることでしょう。来年もまた企画しますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。