サポートビジネスの困難さ

多くのソフトウェア製品は、サポートは有償(より正確には、製品を購入するとサポートを受け付ける権利が手に入る)となっています。当社製品も同様です。

しかしお客様視点で考えた時、このビジネスモデルは受け入れにくいものがあります。購入する前に「使えるかどうかをじっくり確認して(そのためには各種サポートもしっかり受けて)大丈夫と確信してから、購入したい」と思うためです。

特にソフトウェア(ツール、ミドルウェア類)の場合は、OS や他ミドルウェア、そして同時に動作させる他製品との相性問題など、組み合わせによって変わることがあります。購入して、いろいろ試してから「やっぱり動かなかった」というのを避けたいという気持ちは、十分に理解できます。

もちろんベンダー視点では、購入前にそこまでサポートすることはできないと考えるでしょう。サポートの人件費は、なかなか大きいのです。じっくりサポートして「やっぱり購入しない」と判断された場合は、へこみます。

また、サポートのコスト積算も、難しいものがあります。当社の場合は開発ツール/ミドルウェアを扱っているのですが、ツールの使い方を超えて、Java 言語のプログラミング方法まで尋ねられる場合があります。しっかり返答しているので喜ばれているとは思いますが、このサポートに費やす時間は予想以上にかかっているのが実情です。

これは OSS であろうが、商用製品であろうが、いずれも同じ問題を抱えていると思っています。

目指すべきゴールは「サポートが発生しないほど直感的に操作でき、品質の高い製品の供給」でしょうか。その理想に同意しますが、現実問題として、ますます多様化するニーズの中で、サポートが発生しないというのは考えにくいところです。

この溝を埋める方法を見つけることができれば、お客様とベンダーの双方が幸せになれると思っています。開発とは別の次元の問題ですが、解決する価値のあるテーマです。