第9回目となる沖縄新世代経営者塾

早いもので、3年前に始まったこの塾も第9回となり、いよいよ終了が見えてきました。
塾長講話では、毎回、はっとさせられます。

  • 全国 7 割の会社が赤字である。かつてないほど厳しい。
  • 企業倒産の前に「心の倒産」がおこる。社長が気力を失い、社員がやる気を失うと、結果的に企業が倒産する。社長が気力を維持し、いかにして社員のやる気を引き出すか。
  • 不況のときこそ、社長というポジションの意味がある。狩猟隊長型リーダーが求められる。
  • 好況のときは、羊飼い型のリーダーでいい。
  • 商品のレベルで商売するのではなく、人間のレベルで商売しなければならない。商品を売ろうと先行すると、小手先の販売戦略、商品開発戦略になってしまう。売ろうとせずに人間力を磨けば、結果はあとからついてくる。

今回は、人事評価制度について各社の意見を伺うことができました。私も試行錯誤しながら進めていますが、各社の取り組みは参考になりました。

  • 社労士をアドバイザーに入れて、賃金テーブルを構築する。年に二回の人事考課を行い、半年先の目標によって成績をつける。360度評価にも興味あり。
  • モデルとなるトップクラスの人材層を優遇し、そこを目指させるのはどうか。仲間同士で引っ張り上げるのがよい。
  • 年功序列を採用。若い人からは実力主義の声が出るが、評価する上司がいない。景気が悪いと年功序列が好まれる。社歴がある中で、変えるのは難しい。社長賞や賞与でメリハリをつける。
  • 成果主義でやっている。制度がなくても運用が立派であれば、回るものだ。社長が納得する制度であれば、なんでもいいのではないか。独裁的でもよい。成果がでれば還元するから、でもよい。納得しなければやめてもらってよいと、伝えてもいい。制度よりも運用。
  • 300人以下の企業は社長ありきで回る。人事制度よりは社長の魅力が大切。
  • 給与以外に功労を示すこともできる。留学制度など。
  • 10年前に年功制から職務給制度に切り替えた。ポジションで給与が決まる。上にあがらないと給与が伸びないようになった。
  • 労働争議(組合問題)と転職という二つの視点を考えているか。海外の IT 系は皆、転職を食い止めるための方策を考えている。職務給と職能給をあわせたような体系にシフトしている。インセンティブには反対で、売上重視で顧客軽視につながる懸念がある。定性的なものを半分以上にすることがポイント。定量的にやると社員が育たない。総務、教育、さまざまな部門で給与体系を変える。自分が仕事をできるだけではダメ、というメッセージを出している。360度評価でブランドをつくったのは元BMWの林さん。顧客の声が評価にどれだけ反映されているかを考えるのは重要だろう。
  • ヘッドハンティングを抑えるには、経営者による10年後、15年後の我が社を示すことが大切。年功序列+成果主義の組み合わせがよいのではないか。年功序列だが降格、減給があるモデルがのぞましい。

私なりの理解では、細かい制度に気を配るよりも、会社の将来像を示すことが社員にとって重要な時期である、ということです。