JUASスクエア2023「その場でリアル実装!データモデリング&ローコード開発」はどれほど盛り上がったかを文章化してみる

2023年9月7日にハイアットリージェンシー東京で行われたJUASスクエア2023(オフラインイベント!)に、ローコード開発コミュニティとして一枠、いただきました。

JUASスクエア2023

会場は地下1階すべてを貸し切りです。

JUASスクエア2023 案内

プログラムがこちら。わかりにくかもしれませんが...

当日のプログラム(会場で撮影)

ここにあります。

ローコード開発コミュニティ発表枠

コミュニティで発表企業を公募したところ、多くの希望社がありました。(今回は掲載6社に登壇いただきましたが、もし次回も企画があれば、ぜひともご応募ください。)

他のプログラムと異なり長時間の枠なので、どのくらい来場されるか、未知数でした。プライバシーに配慮し、会場イメージだけ掲載します。

会場イメージ(クリスタルルーム)

事務局が最初、用意した来場者用の椅子は20脚に足りないくらいでしたでしょうか。ところが開場にあわせてどんどん人が入り、5分ごとに椅子を追加することに。最終的には倍以上の来場となり、熱気に包まれました。このコンテンツ、なかなかどうして人気があります!

いよいよスタートです。プライド三輪さんの軽快な語りから始まり、会場からその場でアプリのネタを募集します。複数あがったところでデータモデラーの渡辺さんが「業務アプリという視点で、かつ、多くの人がおそらくやっていないだろう」という視点から「パソコン資産台帳管理」というテーマを選択されました。

最初、このテーマを渡辺さんが選んだときは、ちょっと意外でした。Excelでもできそうな単純なテーマに思えたためです。今日は楽をするつもりかな...などと安堵したのも束の間、その場であーだ、こーどと言いながら目の前で書き始めたモデル構成に、慌てました。

30分後にできあがった構成図がこちらです。

渡辺さん作成の資産管理システムデータモデル

これをみて、汎用性の高さに気づいた方は、さすが業務アプリケーション開発に精通しているといっていいでしょう。Excelではとても無理ですね。これを1時間で作りましょう、というのがこのイベントなのです。

7モデルありますが、渡辺さんから「最初の4モデル、つまり資産タイプと資産の関係性が表現できていればよい」という縛りが与えられました。時間の都合上、私も4モデルに集中することにしました。

集中すること1時間。

できました。これがWagbyで整理したモデル構成です。

Wagbyによるモデルの実装

中心となるのは赤枠と青枠の部分です。事前に資産タイプの関係を用意しておきます。例えば「パソコン」資産タイプは、属性として「長さ」「重さ」をもつ、というように設定します。この構造であれば属性はいくらでも追加できます。「自動車」や「土地」といった、さまざまなオブジェクトを資産タイプにすることができます。

資産タイプの関係(事前に用意しておくデータ)

では、個別の資産を(台帳に)登録してみましょう。
ポイントは資産タイプを指定することです。

具体的な資産の登録

渡辺さん定義モデルの特徴は、このとき、資産タイプに紐づく(資産タイプ別)管理属性を絞り込み、当該資産の子レコードして自動的に追加すること、です。モデル定義をみれば、その意図がわかるので、それを忠実に実装しました。

資産の子レコードを自動的に追加する

時間の都合上、細かい画面制御はできませんでした。画面レイアウトも初期状態のままで工夫がありませんが、そのまま晒します。それでも今回の最大のポイントである子レコードの自動追加が動作したので個人的には達成感があります。

どのように実装したのか、Wagby版の業務ロジックはこちらになります。

Wagby版業務ロジック

このような処理はプログラミングが必須です。登壇した6社はそれぞれアプローチが異なります。SQLを直接、書く。ツールが提供する(独自)言語で書く。JavaやJavaScriptで書く。その中でWagbyはビジュアルプログラミングで実現できることを説明しました。私が何年もかけて求めてきたローコード、ノーコードの到達点がこの形です。自分の中では、もっともスマートに実現できるツールになったのではないかと自負しています。

お題の選定に30分、データモデル構築に30分、各企業による実装に1時間、各社10分の成果発表で6社で1時間と、おおむね3時間近いイベントでしたが、多くの方に最初から最後まで見ていただき、熱量が切れることはありませんでした。まだまだ、このネタは人を惹きつけることができると実感しました。別の言い方をすると、ローコード開発ツールの真価を知られていない、ということです。

終了後はクタクタになるイベントでしたが、なにより他社ツールの特徴などをまとめてみることができる、よい機会です。今回は JUAS & ローコード開発コミュニティ陣営でしたが、このような企画に興味あるところがありましたら、ぜひともお声がけください。

DOA (Data Oriented Approach) は古い概念ですが、そのパワーはもっと周知されてよいですし、DOA 実践のためにローコード開発があると考えると、ツールの存在理由も見えてきます。