Wagby Developer Day 2020 Online 終了報告

初のオンラインイベントとなった Wagby Developer Day 2020 が無事に終了しました。ご参加いただいた皆様、および関係者の皆様、おつかれさまでした!

事前申し込みは昨年を上回る 350 名 344 名となりました。このブログを書いている時点で、東京ではコロナ禍の報道が続いている状況なので、半年前にオンライン開催を決めたことは結果的に良かったです。

ということで、今回の経験を綴っておきます。オンラインイベントってどうなのよ?という方のご参考になれば。

オンラインイベントで使ったツールと感想

参加者のアカウント管理、スケジュール管理、動画配信管理は EventHub にお願いしました。動画は事前に各社で撮影していただいたものを vimeo にアップロードする方式を採用。EventHub では時間指定で vimeo の動画の放映開始を制御できます。

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WDD2020 Online

同時間帯に最大4セッションを用意しましたので、参加者は視聴したいセッションを選択します。これによって興味あるテーマを選択できます。

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スケジュールから視聴したいセッションを選択する

資料ダウンロードも、セッションを選択することで可能です。

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資料ダウンロード

Slido (有償版)で、各セッションごとに質問掲示板を用意しました。EventHub と連動しており、参加者はリアルタイムでセッション内容について質問ができました。これによって一方的に動画を流すだけでなく、リアルタイムで聴講者と発表者のやりとりが行えるようになりました。これまでの(会場で行っていた)方式では発表のあと個別に質問を行うスタイルでしたが、オンライン化によってむしろ参加者との一体感が高まったと思います。

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Slido(有償版)だとセッションごとにQAを管理できる

最後のパネルディスカッションのみリアルタイムで実施しました。こちらは Zoom ウェビナーにパネリストが参加し、これを YouTube ライブを通して EventHub で閲覧するという仕組みです。Slido にあがってきた質問に応じて内容が臨機応変に変わるのでモデレータである私も大忙しでしたが、結果として大変盛り上がりました。

また、今回のイベントのスポンサー企業 (Wagby販売代理店) からは、EventHub のメッセージ機能を使って来場者への御礼を行うなど、営業的なフォローも行えました。これまでのオフラインとは違って、立ち話という雰囲気とはやや異なりますが、オンラインでのメッセージのやりとりが新鮮な体験になればプラスに作用すると思います。

ということで、初のオンラインイベントは成功裡に終了したと思います。スタッフは EventHub, vimeo, Slido, Zoom ウェビナー + YouTube と新しいツールをてんこもりで学ぶ、良いきっかけになりました。

こういう時代になったんですね!

費用

これまでの(最大400名収容の)会場費と、ほぼ同額です。広告宣伝費も変わらず。ただし沖縄からのスタッフの移動費や、イベント終了後の懇親会がなくなった分、費用は圧縮されました。毎年恒例の、参加者へのおみやげも今回はネタがなく、見送りました。

効果

発表動画を事前に録画して vimeo に登録していたため、イベント当日は余力ができました。参加者への個別メッセージ送信や、全体を見渡した状況確認などを行うことができました。また EventHub から参加者リストや当日の視聴履歴を提供いただけるため、アフターフォローも行いやすいと感じました。

[追記]
事前録画のメリットとして、(1) 途中から参加しても最初から視聴できる。(2) 当日参加できなくても、後日、視聴できる。(3) 視聴しなくても、資料(PDF)だけダウンロードする。といった使い方もできます。参加者にとって自由度が高いです。一方、リアルタイム参加のメリットは Slido による質問ができること、でしょうか。

課題

一部の方から「セッションを視聴できない」「音声が聞こえない」という問い合わせがありました。使い方がうまく伝わっていなかったことがわかり、問い合わせに対してフォローしましたが、もしかすると(問合せせずに)あきらめてしまった方もいたのかもしれません。初のオンラインイベントは視聴する方も新しい体験で戸惑うところはあったかと思います。これは今後、双方が経験を積んでいければ解決できると思います。

オンラインのパネルディスカッションは緊張しました

Slido で鋭い質問がどんどん届いたので、緊張しました。パネラーの清水さん、古宮さん、森川さん、丁寧かつ真摯な回答ありがとうございました。

"これからの内製とSIの未来を語る" というテーマでしたが、聴講者から Slido にあがってきた質問の一部を箇条書きにして紹介します。これがリアルの悩み、でしょう。

  • 安く早くはお客様にとっては利点、ではソフト開発会社にとってはどんな利点がありますか?
  • 開発費用の都合でITベンダーとエンドユーザが同時に分散開発を進行するのは現実的に可能と考えますか?
  • SIer、ITベンダ側の視点で、ローコード開発ツールを使うことで、より一層ビジネス改善などへ注力できると思いますが、一方で専門家としての技術スキルの低下を招くのではないかと懸念があります。如何がお考えでしょうか。
  • Wagbyの成長を踏まえまして、ローコードで内製化が普及するのは 何年くらいだと予想しますか?
  • もたもたローコードでの内製化というよりひとっ飛びでノーコード化に進むのではないかなあ?
  • ユーザーでの内製化が推進されることによって、非効率な業務フロー(例えば無駄に多段合議になっているワークフローとか)がよりシステムに定着しやすくなるように思えます。DXを見据えてITベンダとしてどのようなハンドリングが考えられますか。
  • ローコードツールを利用することでの、開発の専門家としてのスキルレベルの低下に関して、どのような見解をお持ちでしょうか?

どれも重要な問い合わせであり、まさに今、受託やSESというビジネスモデルから、内製支援というビジネスモデルへの変革期の真っ只中にいると実感しました。上の問い合わせについてパネラーの皆様はどうお答えしたか?については、ここには書かないでおきます。是非、自分ならこう考える、という気持ちをもって、一緒に未来を切り拓いていきましょう!