2006年5月にWagby R5を市場に投入してから15年が経過しようとしています。本日、大きな刷新を発表しました。
このリリース文にあるように、これまでの Wagby 製品群をローコード開発ツール「Wagby EE (Enterprise Edition)」とし、Wagby 自体は新しくノーコード開発プラットフォームと位置付けます。
今回の発表を記念した Zoom イベントを開催します!ので、興味のある方は是非、視聴ください。
AWSのインフラを使った、ビジュアルプログラミング環境の提供
ノーコード版 Wagby のポイントは「インストール不要ですぐに使える」ことと、「ビジュアルプログラミング環境の提供」です。
インストール不要となれば当然、クラウドでの提供になります。しかし、よく知られているマルチテナント方式では、障害発生時に多くのお客様が影響を受けることや、あるお客様が負荷の高い処理を行った時、それが全体に波及するといった問題をどう解決するかは悩ましいものでした。
そこでWagbyは、契約したお客様のプロジェクトごとに Docker コンテナを提供する方式としました。これにはデータベースも含まれます。お客様からみると、専用の(仮想)サーバでアプリケーションが動作するため、安定性が高まると考えています。
このような仕組みを実現できたのは、AWS の Fargate や Lambda といった技術のおかげです。
そのコンテナの中で、お客様が用意した業務処理(プログラム)を実行するのですが、ここでもう一つ工夫しました。ブロックを並べて業務処理を記述する、ビジュアルプログラミングを採用したことです。
Scratch というプログラミングに似ている、と気づいた方もいらっしゃるかもしれません。Scratch は主にプログラミング初学者のための教育用言語として知られていますが、私たちはこの技術を核とすることで、ノーコード開発に興味をもった層 - いわゆる「市民開発者 (Citizen Developer)」に喜んでいただけるのではないか、と考えています。
後発ならではの挑戦「No! ユーザー課金」
そしてもう一つの挑戦が、料金体系です。多くのクラウドサービスは登録ユーザーに対する課金制を採用しています。少人数の場合は確かに安いのですが、ユーザー数が増えると月額利用料金は高くなっていきます。それを避けるため、お客様では一つのアカウントを使い回すところもあるようで、これだとチームでのデータ共有のメリットは少ないと感じていました。
そこで Wagby は(あまり他では例をみない)同時接続課金を採用しました。ユーザー登録は何名でも(それこそ何千名でも)可能で、そこで料金は発生しません。同時に何名の利用者が Wagby アプリケーションにログオンできるか、という上限値で課金します。そのためお客様にとっては利用料金の制御が行いやすいと考えています。
受託からパッケージベンダーへ、そしてクラウドベンダーへ
ジャスミンソフトの創業時は受託開発からスタートしましたが、パッケージ製品を提供する企業になる、という目標で Wagby や住所正規化コンバータといった製品を市場に投入してきました。その目標を達成した次は、いよいよクラウドベンダーへの道を進むことです。
これまでのパッケージベンダーのノウハウを土台に、サービスの安定運用とセキュリティに最大限の注意を払い、Wagbyをクラウドで提供していきます。
今後の展開
クラウドサービスの魅力の一つに、他クラウドサービスとの API 連携があります。Wagbyとつなげる API サービスをどんどん増やしていきたいので、この点で協業できそうなアイデアがありましたら、是非ともお声がけください!