オートスケールに対応したWagbyの狙い

昨日公開した Wagby の新バージョンとなる R8.3.0 は、オートスケール対応を前面に打ち出しています。

オートスケールに対応した超高速開発ツール「Wagby(ワグビィ) R8.3.0」リリース|株式会社ジャスミンソフトのプレスリリース

メディアにも取り上げていただきました。ありがとうございます。

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ちなみにオートスケールのイメージ図は、この春から大学でデザインを学んでいる長女につくってもらいました。こんな形で父親の仕事に娘がかかわるようになったというのも、なかなか感慨深いです。今年の Wagby Developer Day で私が発表するキーノートセッションのイラストも描いてもらおうかな...

SoRとSoEが融合された未来について

私たちは「SoRとSoEが融合された未来」をみています。そのためのインフラ基盤がパブリッククラウドであり、そこで動作するアプリケーションはオートスケール対応が必須になると考えています。

多くの組織で、いわゆるエンタープライズアプリケーションと呼ばれる SoR 層と、デジタルトランスフォーメーションの切り口で語られる新規事業を担う SoE 層はまだ分断されています。これはネットワーク的な分断もあり、データ連携ができないという分断もあり、さらには開発や運用に対するアプローチが異なるという分断もあります。しかしこの状態は明らかにスピード経営を阻害しています。かつ、コスト増の要因にもなっています。

“2025年の崖” を避けようというスローガンが注目されていますが、小手先な手法でなく王道を進むなら、いずれ SoR と SoE という領域は融合するというビジョンを持つことです。これについての私の考えは一貫していて、SoE が SoR を飲み込む形での融合です。そもそも SoR はこれまでカバーする範囲が「業務の効率化」によるコスト削減にとどまっていました。SoE は業務そのものを解体し、ゼロベースで再構築しますので、カバーする範囲は組織内にとどまりません。社内外という枠を超えた、顧客から取引先までをカバーする構想力が必要です。そのような時代に、既存の SoR の仕組みをそのまま残すことは、もはやリスクという言葉では表現できず、会社の命運を左右するほど大きな経営判断ミスとして語られることになるでしょう。

この考え方に沿って Wagby は SoE の技術基盤でこれまでの SoR を動作させることを念頭においています。このときパブリッククラウドやオートスケールといった技術を利用しない手はありません。この上に、エンタープライズ分野では避けてとおることができないトランザクション管理によるデータの整合性の担保を行うアプリケーション基盤を提供します。さらにその先には無停止運用と、モジュール単位の入れ替えを実現するためのマイクロサービス的な考え方を取り入れていく予定です。

既存の PaaS/SaaS と異なるアプローチ

クラウド上で動作する PaaS や SaaS といった製品・サービスが存在する中で、Wagby のような開発・運用基盤の必要性はあるのでしょうか。確かに Salesforce や kintone といった著名な PaaS を使えば、オートスケールと同じような運用がすでに可能です。しかし SoR と SoE の融合という大きなビジョンでは、組織が自分たちのコントロールできる形で「データ」と「業務ロジック」を管理したいと考えるのは自然なことでしょう。そのとき、既存のクラウドサービスを組み合わせる形で実現するアプローチもありますが、AWS や Azure といったパブリッククラウドに自社システムを開発・運用するという要望もあり続けることでしょう。Wagby はそのようなニーズにあった製品として提案していきます。

これまで Wagby を使って開発してきたアプリケーションは、新しい R8.3.0 でビルドすることで、簡単にオートスケール対応になります。このようにアプリケーションの設計情報はそのままに、バージョンアップによって拡張されるというのは理想的な形です。是非ともお試しください。

Wagby Developer Day 2019